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天がこのつらさに耐えるよう仕向けた

2006/09/26
歴史と社会

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/koizumi_cabinet/?1159187305
私はこの小泉前首相の台詞に心から感激しました。
これは歴史に残る言葉と思います。
One Word Politicsという批判はあっても、One Wordも残らない首相も数多くいます。
歴史に残るOne Wordの力恐るべしです。
彼はこの言葉を後継の安倍首相に贈ったのだとも思いました。

小泉氏は日本の政治を変えました。
民主主義国では特定少数利権団体が国家を乗っ取りあう、
ということが次第に起こり国力が衰退しますが(郵政、道路、建設e.t.c.)、
日本の場合郵便貯金の金が財政投融資を通じて、公共土木事業に流れるという予算構造が、
最大の「癌」となってきました。

それを彼はOne Issueにテーマを絞り、さらに政治的大勝を収めることで改革の土台を作り、
日本の国力の衰退を防ぎました。
これは小泉革命とも呼ぶべき出来事でした。

勝敗がつかないと歴史は進まない
歴史が大きく動くのは、勝ち負けがはっきりついたとき。
明らかな勝者と敗者、が生まれるときです。
勝者はさらに「生き残るもの」と「誤り失踪するもの」、
敗者は「復活するもの」と「死者」にわかれます。
いずれにせよ日本の歴史のコマは(明治維新も終戦後もそうであったように)大きくまわりました。
勝負がはっきりつかない場合、歴史は次の勝負までしばらく足どめをしたり、あるいは勝負がつきそうにない場合には、その地域からしばらく姿を消してしまいます・・・・私たちは変化を、勝敗を恐れずなるべく毎回明確な白黒を意思表示し、当面歴史の女神に日本に魅了されていだだきたい、と願います。

総理の値打ち
リーダシップが定まらない国この日本では、小泉氏が行おうとしている既得権の自力退治は、きわめて稀にしか起こらない歴史現象です。近代以降の重要な二回の改革は、明治革命(徳川幕府の権力を終焉)と第二次大戦終戦後(軍部の権力を終焉)の民主革命でしたが、いずれも旧権力は相当程度温存されました。武士階級や軍人・官僚階級は、姿を変えて生き残りました。そしてとくに二回目はアメリカによって主導された「革命」であり、日本人の自発的改革はようするに 150年間起っていないのです。一回目(明治維新)も黒船と属国化への恐怖からおきたと考えれば、他力革命の要素が大きいと思います。つまりあらかじめ、目指すべきモデルがあった時代の変革です・・・・・・今日、官の既得権勢力が政治家と門閥を形成し、特権を持ちながら日本の金流を妨げることにより産業が活性化せず、よりいっそうの近代化がすすまない現状があります。これを打ち崩す冷酷なる最大の攻撃が、反対派議員選挙区への大量落下傘候補の擁立だったと、後世は評価するでしょう。この改革を行うのに、おそらく「近代」の政治知では事足りず、より古い野蛮な歴史を持ち出そうとしている。


彼は後継者を選ぶのに指名や裁定ではなく、自民党議員としての一票をもって安倍氏の支持を示しました。
影響力を残して退任した首相として、このいさぎのよさ(さらには計算の正しさ)も、
日本の政治史上まれに見ることです。

小泉氏は、首相退任後、政治的な野心を失ったことを公言しています。
将来政治的な混乱のもと、この言葉が貫徹されるかどうかはわかりませんが、
(彼の影響力はいろいろな意味で残ると思いますが)
彼の歴史観、人生観から言って、私は彼の現時点での本心を信じます。

一有権者としてこころから、「ありがとうございました、お疲れ様」といいたいです。

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Comment

1 - Name: LMN : 2006/09/26 10:25

こんにちは。
私も小泉氏の言葉、いいな、と思いましたが、一つ気になっていたのが「天」という言葉です。英語に訳せないと思ったのです。訳せなければ日本のローカルな歴史にしかなりません。吉田さんにはこの点、お考えありますか?

(人事コンサルタントというハンドル名を変えました。)

2 - Name: bold : 2006/09/26 10:49

私はdestinyという言葉を思い浮かべましたが、西欧なら普通天はキリストのことを指し、よく「誤解」してくれるでしょう。それ以外にたぶん普遍化しうる訳は難しいですね笑

小泉首相の天はもちろん、キリスト教の天ではなく。
非理法権天
http://www.nozomu.net/journal/000196.php
の天のような気がします。
その天も、織田信長的な・・・・天皇ということでもなく、
もっと中空、漆黒の日本のゼロ点のようなものではないでしょうか?これは訳しようがないですね。

3 - Name: LMN : 2006/09/27 09:11

なるほど、destinyという言葉もあるのですね。ただ何となくdestinyは「従うもの」であって、「人間の意思とのダイナミックなやりとりの感覚」は出てこない気はします。それだと少し残念です。

「日本人が拠り所としている超越的な存在根拠は何なのだ?」という根源的な不信感が、キリスト教徒やイスラム教徒にはあると思うのですが、日本人が使ってきた「天」という言葉は、キリスト教徒やイスラム教徒の感覚とも全く違うところのない、正々堂々と世界に提示できる概念だと思うのです。(天に唾するな、回天、天の上に人を造らず、・・・)

ただ、いかんせん、日本語のことだから、その概念の中身が明確ではない。そして、最近は使われなくなりつつある言葉でもある。だからますます、その概念の中身が明確でなくなってくる。

で、ひとまず、直訳で「Heaven」と訳してしまった場合にはとたんに「父なる神の在す天」ということになってしまうので、「え?」「お前はキリスト教徒なのか?」「Godではないのか?」と言われることは必至で、訳し直さなければならなくなる。そこで妥協して訳し直すと、今度は「天の超越性」はおそらく表現することができず、そこで再び「日本人が拠り所としている超越的な存在根拠は?」と不信感を持たれ続けることになる。

・・・と思っていたのですが、Heavenは Heavensと複数形で使うことがわかったので、それだとよいかもしれないと思いました。(ただ、もしかしたら「星空」のようになってしまうかもしれませんが。)Destinyとか、Heavensとか、ギリシャの旧い伝承やユダヤの旧い伝承に基づく概念だと日本人も(日本語も)乗れる気がします。

今回、小泉首相のスピーチが英語に訳されたのかどうかしりませんが、残るようなスピーチの翻訳は、それが今後の歴史を決めていくことになるので(私達自身の顔を決めていくことになるので)、思いきり議論をして、慎重の上に慎重を期して欲しいものだなあ、と思っています。

(中田英寿の言う「誇り」がprideと訳されて全世界に出回ったのにはがっかりしましたが。武士道の普遍化には今ひとつ失敗しているようです。)

4 - Name: utatane : 2006/10/26 23:26

偶然平井卓也さんを検索してこのページに行き着いた。
しかし驚きましたね、これほど詐欺師の言葉に引っかかり
天に唾する人間を持ち上げる。

政治家を支持するなら同じに責任も共有しますね?
財政赤字は解消されず、同じ閣内にあった谷垣氏が増税を訴えた。

どうです、いっその事、稼いだ金を全額国庫に寄付されては?

日本の政治など何処も変っちゃいない、駄目だった自民党が復活しただけだ。
是非、これほど持ち上げるなら共同責任を取って私の提案を受け入れて頂きたい。