「気分一致」 第六回:日本語のなかに英語が入ってきた、ただし音楽から。 |
2003/08/24 人生・本そのほか |
メールマガジン 『日本語のチカラ』 連載
「気分一致」 第六回 2003/6/3
1994年。私は電通総研という会社で働いており、メディアの進展について10個の将来予測をしました。その予測の一つは「日本語のなかに英語が入ってくる」というものでした。
吉田理論ではそれぞれの言語を話す国々のGNP(国民総生産)の総計、つまりGLP(グロス・ラングイッジ・プロダクト)が言語の世界的な権勢を決めます。GLPでは1位が圧倒的に英語、2位と3位は順に日本語とドイツ語です。4位に入るのがフランス語かマンダリン(北京語)かは現在、議論が分かれるところでしょう。この順位はインターネット以前もインターネット以後も大きくは変わりません。
しかし問題は、1位と2位以下の差です。マスメディアのように1つの情報を多くの人々に届ける情報産業では、多くの翻訳者を抱えることが可能です。しかし電話やインターネットのようなコミュニケーションメディアが発達すると、翻訳者を抱えることが難しくなり、それぞれが自分のために翻訳をしなければなりません。だから多分グローバル言語=英語の価値がもっと高まるだろう。日本語とフランス語、ドイツ語の相対的な地盤沈下を予測して「日本語の中にも英語が入ってくる!」とまだ若かった私は断言しました。
さて。ほぼ10年後の今、その乱暴な予言は実現したのでしょうか?
「インターネット、プロバイダー、サイバー、バイオ、テロ、デフレ、デジタル。産業や科学の分野ではたくさんの英語が使われるようになりました。でもそれはあくまでカタカナで、英語と日本語の兼用は実現していません・・・・・」とまじめに書きかけている最中のことです。
中一の次男の買った日本語ヒップホップ、いわゆるライム(Rime)とかラップ(Rap)と呼ばれるジャンルの音楽がふと耳にとまり、歌詞カードを読んでみました。見事に英語と日本語が混じり合っています。意味はわかるようなわからないような微妙な感じで。ついでに「歌マップ」という歌詞検索サイトを見てみたら、掲示されていた新着18曲のうち、8曲が英語タイトルで、10アーチストが英語名でした。
「日本語のなかに英語が入ってきた、ただし音楽から」。
微妙にため息混じりですが、
予言は結構当たったと言ってもいいのでしょうか?
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