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「気分一致」 第三回:めっこり まったり ほっこり さっくり

2003/08/24
人生・本そのほか
日本語パワーアップサイト ATOK.com
メールマガジン 『日本語のチカラ』 連載
「気分一致」 第三回 2003/4/1




 私が会社員になった20数年前、世の中にはまだファックスが登場していませんでした。それ以前のビジネスコミュニケーションの手段は、主に電話および手紙、そして海外との間ではようやくテレックス、という時代です。しかしそれでも、今定年をむかえつつある団塊世代の環境に比べてはるかに上等ではありました。

 彼らの時代は卓上電卓の代わりに回転式のタイガー計算機や計算尺を使っており、またコピーの代わりにリコピー、さらにその前の全共闘世代では筆写(!)がホワイトカラーの主要な仕事のひとつでした。手紙を出して返事を持つのに数日というわけですから、その時代は月に大仕事を一つ、小仕事を一つ、という感覚でのんびり仕事をしていたらしいのです。

 今はコンピュータやメールのおかげで、とてもそのゆったり気分では仕事がこなせません。日に大仕事をひとつ、小仕事をひとつ、
そんな感覚です(そのせいか今日、仕事はどんどん小ぶりになっていることは否めません)。どのくらいのスケジュール感覚なのか。チームやスタッフにこのコンセンサスがないと、スムーズに仕事が運ばない時代になっているようです。

 時間感覚をあらわす言葉も、そのせいか進化しているように思います。今回題名にあげた四つの言葉は、そんないまどきの時間感覚をあらわすエモーショナルな感覚をもった言葉たちです。

「めっこり」例:めっこり話をつめる。
      相当時間をかけてねちっこく。
      一晩、数日、あるいは数週間。
「まったり」例:ちょっとまったりしない? 
      気分は1、2、あるいは数時間。
      集団の中で、お互いにちょっとそこから離れ、
      親しみのあるゆったりとした時間をすごす。
「ほっこり」例:ほっこりしちゃったね。
      数分か十数分。
      忙しい中でのエアーポケットのようなほっとした時空。
「さっくり」例:さっくり片づけない?
      超急いでいるときに手短かに、という意味。
      数秒から数十秒。ビジネスライクなイメージ。

 この4つの言葉のうち、私が現在辞書で見つけたのは「まったり」だけです。しかし日本語の良さは、こうして新しい感覚を表す言葉を創り出す可塑性にあると私は思います。

 ということでこのメール、ほっこりと読んでいただけたら幸いです。

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