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シシリアの名誉ある社会

2001/03/20
歴史と社会

1984年はマフィア史上最大の事件が起こりました。
トンマーゾ・ブシェッタというマフィアの一員がマフィア社会の全貌をしゃべってしまったのです!
マフィア社会には鉄の掟があります。それはオメルタ=沈黙の掟です。マフィアはおしゃべりであってはいけないのです。これを犯せば厳しい制裁がまっています。本人が逃げても家族に、親戚にその制裁はきます。
だからマフィアが犯罪をおかしても目撃者がだれもあらわれないのです。
なぜシシリアンマフィアが世界を席巻したのか。それは彼らが約束を守るからです。
ほかの国のマフィア、ボリビア、コロンビア、ロシアなどは品物と現金がひきかえですが、シシリアンの場合、品物を渡しっぱなしにしても後で必ず金を渡すからだったそうです。
つまりそれほどシシリアン同士の信頼は固いのです。
ブシェッタはその信頼イメージに強烈な打撃をあたえてしまったのです。
それまでゆるいネットワークと考えられてきたマフィア社会が、実はかなりハードなピラミッド組織であることもわかりました。
まさか!というような紳士やあるいは牢獄にいる逮捕者がドンということもわかりました。
トーチカ(要塞)のような法廷で行われたマフィア大法廷では476人の被告が登場し342人が有罪になったそうです。

マフィアを生んだのは大土地所有制です。ちょうど日本の中世、荘園制度が崩壊したときに、
地頭や守護が台頭したようにシシリアにも自立した武装集団が生まれたのです。
ようするに20世紀なのにそこだけちょっと戦国時代・・・だったのです。
国の力が弱くて、あるいは官吏が腐敗をして信頼を失い、あてにならないときに、民衆がたよりにするのはどこの場所でも地場の荒くれ者です。大戦後の波止場、たとえば神戸の風景がそうですね。
ところが大土地所有制ですと、実は地元の名士は裏でマフィアに農地の面倒をみてもらっている
わけですね。だから国家権力とそうした勢力が裏でつながっている、ということにならざるをえません。
イタリアはドイツ同様群雄割拠の国でした。そういう国にかぎって、国をまとめる時に恐ろしげな力にたよってしまうのです。イタリアの場合は「ファシスト党」でした。
このファシスト時代、マフィアは結構おとなしかったのですが(だってむこうは戦車や飛行機をもっているマフィアみたいなものですから)戦後共産主義が浸透してきそうなときに、政財界はまたこのマフィアの跋扈を許してしまったのです。
これは日本でも戦後、GHQ—政財界—右翼—やくざ—KCIAみたいな連帯が生じたのと同じです。

さて共産主義の崩壊で東欧やロシアで、あるいは中国でものすごい数のマフィアが跋扈する状況が作り出されました。主義主張は別として社会主義は国を軍隊の力と経済統制で一つにまとめていたんです。そのたがが緩んでしまったのでもう押さえがききません。
ところで唐突ですが日本にももちろんある種のマフィアはいます。
盛り場系と廃棄物系の二系統が・・・・・・
日本の社会主義がそろそろ崩壊する今後がちょっと心配です・・・・

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