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プロジェクター(企画屋)という古くて新しい職業

2001/03/23
ビジネス

故村上泰亮先生がいらっしゃったら、「吉田君。君の興した仕事は17世紀に出現した「プロジェクター」という伝統的な職業だよ。」とおっしゃったことでしょう。
それは「発明の才に恵まれた人が彼らの多少換金できる思想や理念を、それ相応の報酬と引き換えに他人に提供することによって、己の発明を売りに出す」タイプの仕事なんです。
(以上ヴェルナーゾンバルト著「ブルジョア」中央公論社より)引用を続けましょう。
「周知のようにきわめて智識豊富な著者(フーゴー・フィッシャー)は、おのれの時代をまさに企画つくりの時代と銘打ち、1680年をこの時代の始めとした。」
「彼らは−誕生と同時に死亡し(頭脳の流産といおうか)ただ溶解するだけのために出現した無数のアイデアを度外視すれば−以前にはなんびとも考えつかなかったような技術、策略、そして計画を金もうけのために生み出した。」
「黄金を追求したあげく本物の犯罪者になるためにはあまりに利口な人々がいる。
彼らは己の考え方をある種の策略や欺瞞、すなわち別種の泥棒の方策に集中する・・・・別種の者達もいる。彼らは必要にせまられ、誠実で非難される余地の無い公正の土台の上ちたってもろもろの発明を考案する。これら最後の2つのグループが企画屋と呼ばれているが、なんとしてもガチョウのほうが白鳥よりも常に数が多いことからして第二のグループは第一のグループよりずっと少ない・・・」

前者のプロジェクターには、まだ発見されてもいない新大陸だかアジアだかの金山銀山を採掘するだとか、卑金属から貴金属を作るというおなじみの錬金術であるとか、まだ開発されていないもいない機関銃やタイプライターや自動演奏ピアノなどの機械の発明などがありました。
第二のグループに属した人間には、例えばトンチ式年金法を考案したトンチがいます。
第二グループの企画屋たちの最大の業績は蒸気機関でしょう。
ポンプ技師トーマス=セィヴァリーが出した「火を力にする」といういいかげんな特許を、没落貴族の鍛冶屋トーマス=ニューコメン氏が改善し、若き鋳物業者エィブラハム=ダービーが安価な鋳鉄の大量生産技術により実現したのです。

当時は資本主義の黎明期。資本主義の本質を考え出すべく、かつぎ出されたさまざまなアイデアは、いわばまだ生命のない陰のようにさまよい、おのれの生誕の時期をまっていたのです。
この生誕はかれら企画屋のアイデアと企業の理念やひとびとの勤勉が結合してはじめて実現したのです。

今は新しい情報資本主義の勃興期。ITバブルに見るようにかつぎ出されたさまざまなアイデアは、いわばまだ生命のない陰のようにさまよい、おのれの生誕の時期をまっているようです・・・・・
そうしたアイデアと大企業の理念やサラリーマンの勤勉との新しい新結合をつくりだして、僕はできれば第二、ではなく第一のグループの嚆矢として人生をまっとうしたいものです。
みなさま、よろしくお願いいたします。

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