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地方に残る「名こそ惜しけれ」感覚

2001/03/16
歴史と社会

僕は会社員には極めて珍しい事ですが、30歳当時、青年会議所にいたことがあります。
元の電通の社長さんが青年会議所のメンバーで、若いのを五人ぐらい入れてくれと頼まれて、それに選ばれたというわけです。青年会議所40歳になったらやめなければいけない、アメリカ発の青年経営者のための全国組織です。
僕は44歳で経営者になりましたので、今は思います。「中年会議所」はないのか?と・・・
会社員の場合、その属している会社が一種の宗教になり親しい仲間ができますが、若い経営者ジュニアの場合、まったく違います。
彼らは社員と仲良くする事ができないのです。たんなる派閥になってしまうので。
さらにはたいてい先代の社長をささえる老専務とかが会社にいます。
「あなたはまだまだ若い。修行していらっしゃい」
彼はまだまだ追い出されたくはないのです。
さらにはお父さんもこんなことを・・・・
「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすという」
自分も谷には落とされてないくせに、いい格好したくて、よく言います。(二代目の場合)
きっと経営者ジュニアの会社での居心地は悪い事でしょう。

気がついたことは各地域によって、まったく会議所の性格が異なる事です。
東京の場合・・・・例えば食事会で僕の隣になったのは葬儀屋さんでした。
「吉田さん。僕ここで知り合いが増えると営業ができると思って入ったのです。吉田さん。
ところで結婚式と葬式、どっちが多いと思いますか?どっちが儲かると思いますか?」
「わかりません。教えていただけますか?」
「両方とも葬式にきまっているじゃないですか。だって一人で結婚する人はいないし、二人で死ぬ人もいないから。それに結婚式は値切る人が多いですが、葬式を値切る人はいないのです、ははははは。」って感じです。
もういろんな業種の人と初めてしりあって勉強になってしまうわけです。
地方では違います。何代目〇〇物産の御曹司、何代目〇〇家具屋の御曹司、何代目〇〇蒲鉾の御曹司ってかんじです。狭くて濃密な人間空間の趣があります。
大阪なども実は大都会に見えて、そうしたクローズドな経営空間がありました。

名こそ惜しけれ。一度名を汚す行いをすると末代までいわれてしまう。
彼らはどうやらそうした世界にいるようです。
東京のオープンさ、軽薄さ、浮遊感と何たる違いなのか。
僕が経営風土というものについて真剣に考え始めたのは、この青年会議所体験が大きかったのです。

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