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ネットワーク電撃戦の時代

2001/03/11
歴史と社会

電撃ネットワークの時代(http:// cgi.t-shock.com/)とも言えますが・・・

僕は戦史研究家ではありませんが、その歴史がビジネスにも役に立つじゃないか、と思うのです。なかでも関心があるのは「戦時通信システム」です。
作戦書や指令の機密がまもられるかどうか、はものすごく戦況に大きな影響をおよぼします。
『U−571』という潜水艦の映画があります。ドイツ海軍には、エニグマ"と呼ばれる暗号器があり、それによって連合軍は翻弄され、いいように叩き潰されていたのでした。
このままでは負けざるをえない状況下の中、連合軍は秘密裏にある作戦を決行することにしたのです。
第一次大戦で活躍した旧式の巡洋艦"S−33"で、故障のため停泊している"U−571"に奇襲攻撃をかけ、ドイツの誇る暗号機"エニグマ"を奪おうという作戦です。
しかも奪われたことがばれないようにしなくてはいけません。ばれたとたんにエニグマは破棄され、新しい暗号装置に変わり、盗んだ意味がなくなってしまうからです。
それで映画は絵に汗握る展開になります。(この映画、お薦めです)
まあ、これは戦争下だからこそ許される行為で、いまどきビジネスの場でこれに近いことをしてばれれば単なる「牢屋行き」になってしまいますが・・・

もうひとつの話をしましょう。
第二次戦争におけるドイツ戦車部隊の創設者に、ハインツ・グデーリアンという将軍がいます。
http:// www02.so-net.ne.jp/ ~muraji/ gunji/ dengeki.htmを参照願います)
歩兵や騎兵などの旧勢力がのさばっていた第1次世界大戦後のドイツ軍に、彼自身のドクトリンに基づいて戦車部隊という新しい兵科を創った人です。彼はその後、第2次世界大戦初期に、自ら育てた戦車部隊を率いて、ポーランド及びフランスを短期に占領しました。
彼は、自分で生み出した”無線で緊密なコミュニケーションを保った、戦車部隊による高速突破”、いわゆる「電撃戦」の威力を自ら証明しました。
「電撃戦」では、戦車・急降下爆撃機などを集中させ、 その局所面積での攻撃圧力を最大化させ、戦線をものすごい速度で縦に突破していくのです。
なぜこれが可能になったか。最前線の、あるときには戦車の中に将軍が自ら乗って情報を収拾・分析し、戦車や前線基地からひいた盗聴をふせぐ有線電話システムにより、後方部隊に指示をだす。これが強さの秘訣だったのです。

話は次に唐突に現代に飛びます。
電子メールというのは、上記の有線電話システムに匹敵する、いやそれをはるかに凌ぐ「通信システム」を現代につくりあげたのです。これによりビジネスの仕組みが根本的に変化したといえるでしょう。
この変化をうまく利用する人たち、新しい戦法を考えついた人たちが成功する時代になったのです。これまでは後方が戦略や計画を考え、前線が実施を行うというように、戦略計画と実施を切り離して考えることが常道でした。これは競争相手が明確で 戦闘方法が固定化されている場合、いってみれば第二次世界大戦における「マジノ線」のような戦い方だったのです。

ところが電子メールは戦場間、戦闘員間のコミュニケーションを一変しました。
ここにおける有利な戦い方は、最前線(B to CおよびB to B)にいるひとが細かな戦況の変化を敏感に理解し、 指示をネットワーク的に後方・側面に送る。後方の膨大な支援部隊は、その情報を分析して、これに対応した適切勝スピーディな情報・ロジスティックス支援をする。 以前よりこの「スピーディ」ということが絶対的に重要な条件になってきたのです。
同様にIT技術は戦争の新しいあり方をも、規定しつつあります。
「未来の戦争」というのはきっと、数十人の部隊が敵の首都におりたって、 敵対国の大統領を拉致する、みたいなことになるでしょう。
多くの大企業やコンサルの出身者がその会社を辞めて、 ITベンチャーに参加した理由は、まさに「一先端」として汗をかいてみよう、そうしなければ、21世紀経営のリアリティ がわからない、という切実な感覚があったではないかと思います。
ITはややバブルであり、そうした転職にいろいろとケチをつける人もいますが、僕は「失敗」も非常に貴重な経験であり、人の失敗を批判する人よりも、失敗を経験している人のほうに軍配を上げたいと思います。
つまり経営というのは失敗をしないことが目的ではなく、 必ず何割かでは失敗する事(ということは残り何割かは成功する事)、そして失敗を致命的とはならないようにコントロールする事ですから。 彼らの何人かが、事業がうまくいかなかったとしても、恥ずることなくもとの業界に戻ってきて、そしてかつての順風満帆だったときよりも、いい仕事をすることを期待しています。

僕らが今必要としているのは、賢くて、勇敢で、失敗を恐れず、仲間意識の強い人たちであり、 賢くて、臆病で、臆病で、仲間がいない人たち、ではないのです。

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