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頭が痛くならずに「近代・組織・資本主義」を簡単に理解する一文

2001/02/04
歴史と社会

僕は組織と個人の関係に関心があります。とりわけ日本社会における・・・・

会社の中に「ぼー」といるとその関係は空気のごとく、感じにくいものになります。
例えば、出版社というのは会社ごとに微妙なカラーがあります。
学生時代の仲間が異なる出版社に新入社員で入ったとします。
入ってすぐのときに学生仲間で会っても、もう微妙にその「色」がついていたりします。
電通マンという言葉があります。「俺だけは普通の電通マンとは違う!絶対!」とかって思っている塊です。
でも結構みんな同じ匂いがするそうです・・・・
その色や匂いを見分けるためには、自分自身の視点が必要です。
立ち位置を自分で知っている事が必要になります。

ビジネススクールに行っていたときに銀行員の同期がいました。
彼が言ったある意見に対して僕は思わずこう聞きました。
「それは君の意見なの?君の中に入っている銀行が言わせているの?」
かれはしばらく悩んでこう叫びました。
「わからない!もう見分けがつかない!」
ちょっとイタイ話ですが・・・・こうなったらヤバイです。
これは共同体というものに属するときに、必ず起こる問題なのです。
農村の村落社会、戦前の日本やドイツ、ちょっと前のオウムに大蔵主計局に北朝鮮に外務省要人外国訪問支援室
共同体が強すぎれば、自分が自分であって自分だけはでないような心地がし、自分の意見や考え方をひたすら殺して生きたほうが楽なのです。
で、悪いことしても集団記憶喪失になってしまうのです。

日本人は「共同体」が好きです。だけどそれが続きすぎると今度は「近代化」が難しくなります。
別に?近代化をしなければいいじゃないか。そういう意見を言う人もいます。
そうです。別にヴィトンのバッグを欲しいとか、夏にクーラー使いたいとか、車が欲しい!とか、
いいワインはやっぱりうまい!とか、高速インターネットが欲しいとか、モバイルの動画っていいじゃん!
とか、ワールドカップ韓国に見にいこう!とか、ぼけ老人を大事にしよう!とか、長生きしたい!
とかやっぱりパツキンはいい!とかキーセンパーティが好きだ
なんて言わなければ、べっつにぃいいんです。

でもこの激烈な社会では近代化を少しさぼると、あっという間に貧しくなってしまうんです。そうなると、
上に言ったようなことも出来なくなってしまいます。
今は高度成長の遺産がありますが、日本もこのまま行くともうじきでしょう・・・・

それで日本人の個人主義の系譜をたどろうとしたときにこの「近代・組織・資本主義」という本に
であったのです。僕が上にいったことは実はずーと日本人を悩ませてきた問題です。
夏目漱石はこの問題を「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。
兎角に人の世は住みにくい。」
といいました。(うろおぼえ、とかいっちゃって)

話が脱線しましたが、ようするに近代化のためには個人が確立している必要があり、そのためには自分自身を
上からだか横からだか、見る視点がいる、と僕は思って、この本の内容を勉強したのです。
で判りました。ちょっぴり安心もしました。
日本人は十分すぎるほど個人主義者だ、ってことが・・・・
ただちょっとだけ350年ぐらい忘れていただけだって事が。
150年前には思い出したんですけどねぇ・・・・・)

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