生bold 1月29日サンプロ 緊急出演 テレビで言い尽くせないであろうこと |
2006/01/28 ライブドア |
テレビ朝日系列 朝10時より。ライブドア特集。
うーん。テレビでどこまではなしていいものか。
その反響如何。迷います。
今考えていること。メモがわりですみません。
1.「法の隙間をつくのは悪いことなのか。」
あなたは法の隙間をつくことを想像したことはあるかもしれませんが、法の隙間をついて儲ける度胸がありますか?
その度胸がある人たちを、普通ヤクザと呼びます。
法の隙間をついただけでは捕まりません。
彼らは法を犯したから捕まったのだと思います。
企業経営者がグレーゾーンに踏み込んで味をしめた場合、
グレーゾーンにとどまることはありえません。
足を洗うか。塀の向こうにいくか、どちらかです。
だから特に上場企業の企業経営者はグレーゾーンに踏み込んではいけないのです。
2.「どうして彼らは犯罪に手を染めることになったのか」
のちのちわかることでしょうが、本件は企業犯罪のデパートのようなもの。企業史におけるオウム真理教事件に相当します。
最初は、法に触れなければかまわない。という気分が、成功を重ねるうちに「知られなければ法を犯してもかまわない。」に変わったのだと思います。
法の背景にある「精神」を無視した脱法根性があるため、その転換は当然です。
とめどもない脱法に拍車がかかった第一歩目はまずニッポン放送の買収に成功し、グレーゾーンに踏み込むことに裁判所のお墨付きを得たこと。
次に自民党のお墨付きを得て、権力機構に接近したと誤解したことが大きいと想像します。一方特捜の今回の決断も、この二件による危機感が大きく働いたと想像します。
3.「ニッポン放送の買収は問題ないとされたではないか」
時間外取引自体は合法です。
しかし現金で400億持っている企業と、400億の株を売りたい企業が東証の朝8時30分に偶然出会うものだろうか。いや・・・お互いに神であればその出会いは多分可能です。
それが事前の計画によるものだ、と明言できなかったのは、その背景にその売買の取り決めを知って利益を得ているインサイダーがいたからでしょう。つまり、彼ら自身ももちろんインサイダー規制に引っかかるからです。
この背景を金融当局が明らかにできなかったのは、捜査能力、権限、人、カネを欠いたからでしょう。また売買手口が巧妙化し、外部からの発見が難しいのだと思います。件の時間外取引を裁判所が認めたのは(弁護士とか会計士の多くもそうですが)、直接金融市場のルール(慣習法に近い)がわかっていないから。また法的官僚主義が蔓延し経済法におけるモラル(精神)の問題を軽視しているからだと思います。
ちなみに今回の特捜の捜査は金融当局にとっては歓迎すべきものだと思います。本件により抜本的に予算、人材、権限の強化が見込めるからです。
4.「大量分割は悪いことなのか?」
大量分割自体は株価に本来影響しないものです。
(初期はテクニカルに株式流通量が激減するため急騰が起きましたが、現在は緩和された)
したがって大量分割を株価操作に使ったという論法に対して、彼らは裁判で抗弁すると思います。
大量分割が悪いのは、法的にではなくモラルの問題です。それが結局少数株主の利益をないがしろにするからです。つまり大量分割により大株主と、ごく多数の個人株主に二分され、少数株主の無能をいいことに経営者大株主による企業の専横が行われるからです。(民主主義的僭主制のようなもの)
また大量分割によって、株式配当コストを上げるため配当政策がありえないことになります。(たとえば一株あたり3円の配当を払うだけで、30億の利益が必要だが、その配当支払いコストが、数十円ついてしまうありえなさ)つまり配当がありえないほどの極端な大量分割を行う企業は、こうしてすぐに分かることですが経営モラルがなっていないのです。
5.「どうして堀江氏は株式価値を最大化しようとしたのに失敗したのか?」
彼らは、株主全体ではなく、自分たち、つまり経営者大株主の利益を最大化しようとしたのです。
決して株式全体の価値を最大化する経営を心がけたわけではありません。
それは少数株主をだまして利益を吸い上げ、経営がうまくいっているようにみせかけるビジネスモデルでした。
株価の上昇局面だったのであまり露呈せずにすんできたのだと思います。
それでは企業はまるで砂上の楼閣、もしくは空中浮遊のように、いつか失墜せざるをえません。
6.「本質は何が問題なのか?」
偽計や利益の偽装など、もちろん明らかな経済犯罪を別にしてですが、私はインサイダー取引が今回の最大の問題だと思っています。
大株主やその関係者が、経営の一時情報をメディアに出る前にいち早く入手、儲けることが可能であれば、彼ら大株主関係者は常に儲かり、それを後から追いかける少数株主は常にババを引くことになります。それが許されれば金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏人にならざるを得なくなります。それはあまりに不公平で苛酷な資本主義だと思います。だから今回のことは、今後私たちが真っ当な株主主権主義を持つための試金石に相当するのです。
7.「ライブドアは今後どうなるのか」
わかりません。
ひとついえることは今回の犯罪は、経営陣が外部組織と共謀して行ったもの。監査役、監査法人、また脱法行為に加担した会計士や弁護士の責任は非常に重いと思います。社員の99.9%は寝耳に水で罪はありません。一方、ステイクホルダーとしての責任の一端は社員にもあると思います。が、それまで負わせるのは酷というもの。その責任から逃げずに、今後の再建の努力の過程で支払っていただきたいものです。残された人たちには心からがんばっていただきたいと願います。
8.「今後の展開はどうなるのか」
わかりません。一罰百戒で終わるのか。二罰百戒となるのか。その先はないと思いますが・・・・いずれにせよ、この手の経済犯罪は、賭博同様百罰百戒はありえません。「巨悪」の影響力を排除し見せしめにする。特捜のロジックとしてはこうなると思います。
9.「今ジャーナリスティックに知りたいことは?なにか」
熊谷さんが代表者になったこと。メールを調べられても彼が共謀に加わっていない明らかな事実があるのだと思います。一方、彼が全てを知らなかったということがありえるのか。彼が前経営者を「経験が足りなかった」と評価した真意は何?彼を代表者にした意味はどこにあるのか、新社長との関係はどうなっているのか。・・・・興味深い点です。
10.「ライブドアは社名を変えたほうがいいのか?」
私は変えるべきだと思います。二回も大災厄にあった社名は企業史的にも珍しいといえます。同一ブランドで行うべき理由も少ない事業もあるのではないか、と思います。
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Comment
吉田さん、先日はありがとうございました。お忙しいなか大変ですね。大丈夫ですか? サンプロ見ましたよー。よかったです。熊谷さん、私もちょっと興味あります。2度ほど仕事でお目にかかったことがあるのですが、恐かった印象です。興味深いです。美人(?)広報も英和的には気になるところです。ぜひまたお会いしましょう。あと、女性天皇に関するヒゲの殿下のコメント、どう思います?それは次回にでも・・・
うーん。
その後田原さんが脅迫されているという事実を知って驚きました。
あの場で、自殺説が強調される雰囲気(およびコメンテイターの登場)になったのも、改めてある種そうしたサインを出す必要があったのか、と邪推したり。
すべての悪が登場してもいまさら驚きません。というかこのような金融犯罪事件では当然そうなります。
しかし今件の本質は、インサイダーと思います。(インサイダーがダークサイドかそうでないか別にして)
それがブラックかどうか、というところにわかりやすいオチが来たほうが庶民も法執行も「楽」、という部分もあるのかもしれませんが・・
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