「気分一致」 第十一回:これが使えたら立派な中年!? |
2003/09/15 人生・本そのほか |
メールマガジン 『日本語のチカラ』 連載
「気分一致」 第十一回 2003/8/22
いつの時代にも、若者言葉というものが流行ります。若者言葉の特徴は「短縮化」。短縮化は使われる頻度が高い言葉に起こる口の省力手段。特に若者に起こるのは、彼らは人生経験と語彙がともに少ないので、評価や表現が未分化だからではないかと思います。同時に彼らにとっては、隠語とも呼ばれる仲間内での符丁が、とても重要だからでしょう。
かつて、若者言葉の代表とも言るものに、まぶしい→まぶい(今は死語ですが)がありました(私の年がばれてしまいますが)。この系統の新語に「目力」があります。これは化粧品の広告に使われて広まった言葉で「あの娘、目力がある」(目にえもいわれぬ説得力がある)という風に使われます。
「女力」と言うのもあります。「そのおばあさんのベットサイドの棚にはキレイな色をしたカワイイマニュキュアがあり、女力を感じた」という具合です。女性が女性の女らしさをいい意味で評価して使う場合が多いようです(間違って逆に言うと大変なことに…)。
最近よく使われる言葉に「うざい」がありますが、この語源は「うざったい」。広辞苑には「うざつく」(小さいものが多数集まって動く)という言葉もあります。もともとは多摩地区の方言だったものが、1990年代に入って東京に広がり全国語化した言葉とされています。
あとよく使われるのが「きもい」。これは「気持ち悪い」の短縮で「きしょい」も使われます。「まじ」は、もともとまじめの短縮形ですが、まじめから転じて、本気、本当、という順に軽めに使われるようになりました。これらを組み合わせて、「マジきもい、っていうかうざい」(笑)という風に使われます。
このネガティブ系の新語に「逝ってよし」があります。「どうぞ天国に逝ってくれ」「この場から立ち去ってくれ」と言うような意味で2ちゃんねるから始まった言葉とされています。
同じく2ちゃん用語に「ドキュン」と言うのがありますが、これは「目撃ドキュン」というテレビ番組のタイトルが語源。生き方としてのマナーの悪さという本来の意味から転じて、イメージとしてはコンビニ的、ファミレス的、携帯電話的、ドンキホーテ的なニュアンスを含むにいたりました。このドキュンは誰かの転写ミスで「ドキュソ」になり、こちらのほうがネット業界では通、という雰囲気もあります。
「やば」も東海道膝栗毛に登場する由緒正しい言葉ですが、よく使われます。けしからぬ、奇っ怪という本来の意味から転じて、すごい、感動するというニュアンスで使われる場合もあります。
さて、今僕たちの間で密かに流行っている言葉があります。それは「はっはー」という相槌です。「なるほど」「もちろん」「違う」「それは驚いた」などという意味で使いわけます。気軽に使えそうな言葉ですが、実際のところは、背景についてある程度理解をした、必ずしも納得してはいない、とりあえず自分の評価は下さない、ネガティブではない、などの微妙なニュアンスを含んでいます。これが難なく使えるようになったら、あなたは立派な中年です。
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