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セクシーな県知事たち

2001/03/18
歴史と社会

「存在感」には二つあると思います。
一つはセクシーさ。セクシーというのは存在感を意味するのです。
もう一つは・・・チェルノブイリ現象です。世界の破滅につながる大災厄。
今日本の政治は世界的な存在感をもちはじめた、とささやかれています。
もちろん、セクシーの方の存在感であるわけがありません。
日本における「政治チェルノブイリ現象」を世界中が心配しはじめているのです。

デイビット・ハルバースタム氏の著書「幻想の超大国—アメリカの世紀の終わりに」では1980年代末の、全米州知事会議の場面がでてきます。
キッシンジャーの空虚な演説を聞いたあとで、彼は次の時代にアメリカの政治を動かすのは、州民の信任をうけ、州経済をなんとか改善するために苦労してきたこの若い州知事達だ、と彼は語ります。
なぜキッシンジャーの演説が空虚だったのか。
ようするにイデオロギーの大きな対立であった冷戦が終わり、アメリカ人は核軍縮や、戦略爆撃機の話ではなく、身の回りの雇用、治安、環境・・・そうしたもののためにたちがある新しいリーダーを求めてはじめていたのです。

同じことが日本でも10年あまりあとにようやく起きてきました。
今日本の新しい知事達はセクシーになってきました。そうではないですか?
彼らは地方行政における情報開示のあとに、首長選で選ばれた知事たちです。
政治と行政の癒着が情報開示であばかれ(政治家の外遊のたぐい)、
古いタイプの首長は県民の支持が得られなくなってきてしまったのです。
「おまえたちのために雇用を作るために俺は公共事業をもってくるんだ!」
そうした政治家の主張にたいし「これ以上の公共事業は子孫のためどころか俺たちのためにならない。単にあなたが儲けるためにやってることではないのか・・・」
これまでささやかれていただけのさまざまな「噂」が、公然と主張できるようになってきたのです。

低い選挙率のなかでおこなわれたある選挙において、ある政権担当党の政治家はこう言い放ちました。
「天気が悪いことを祈っている」と・・・・・
悪天候にたよるようになったら政治家も終わりでしょう。彼らはまだ気分的には冷戦下の、しかもどちらかといえば社会主義諸国側の政治家に近いのです。
まだ中央政治、中央官庁において情報開示がそれほどすすんでいないから、彼らは命運が保っていられるのです。
彼らの顔をごらんなさい。
後ろめたさと居直りが混ざって、ひきつっているじゃないですか。

そしてもう一点。今や日本における改革というのは、全国レベルでは絶対に無理なのです。それはあまりにお金がかかりますし、また合意や実施を行うエネルギーが中央には残っていません。だから、今後の重要な改革はセクシーな知事や市長あるいは町村長に魅せられた地方住民、地方政治家、地方行政によって行われる以外にはないのです。

セクシーな首長たちとチョエルノブイリな政党政治家と。
さて次世代の政治家として僕らはどちらの存在感を選ぶのでしょう・・・

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