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終わりなきデザイニング

2002/02/20
ビジネス
新会社コンセントを立ち上げてから約一ヶ月がたちました。
会社はいくつつくってもエキサイティングなものです。といってもまだ2つめですが・・・
机や機材を買ったり、名刺を作ったり。(もちろんタグボートデザインです)会社を作る過程でいろいろと学んだ事、考えた事が多くこの連載を通じてご報告したいことが多くて困ってしまいます。

Webの会社を立ち上げてきた質問は「なぜ今ごろIT?」というものです。これは僕の信念に近いのですが「人の行く道の裏に花あり」ということわざを信じています。(ときどき裏をつき過ぎて失敗してしまいますが)
ITバブルの最中は制作会社が乱立し多くの学生や派遣社員の方が業界に押し寄せ、ある程度ルーズに仕事が行われていました。規模を追って仕事の質を求めず。簡単に言えばそういう傾向があったと思います。しかしITバブルがはじけたあともWebユーザー自体は増加する一方です。Webサイトを運営し新しいものに作り変えていく企業努力は、より一層求められています。Webの本質にフレキシブルということがありますが、いかようにも自在に作り変えることができることが、メディアとしてのWebの本質です。だから常に向上や改善が求められるのです。そのときに、よりしっかりとした会社、一緒に向上を目指せるパートナーに仕事を頼もうという風潮は、むしろWebが定着した今、高まっていると感じます。また制作単価自体も、会社が乱立して受注合戦に陥ったりコスト計算が甘くなったITバブルの時期よりも、むしろ高止まりしているとも感じます。まともな経営をこの業界に導入する意義は、今むしろ高いと感じたのです。

仕事の基本、自立の基本はまず「仕事に値をつける」ところからはじまります。Webの仕事もどのように単価をつけたらいいのか、仕事の本質に関わる問題です。ページ単価という仕組みがあり、また人・月という方法もあります。一式でいくら、という大ざっぱな方法もあります。いずれも仕事のおおよその規模を対価にかえるための仕組みですが、「質の向上」を組み込むのにはいずれの方法も難点があります。まず、ページ単価とう方法についてですが、僕たちは同じソリューションが提供できるなら、メインテナンスのことを考えればなるべく少ないページ数でこれを行う事が「質の向上」につながると考えています。仕事のワークフロー自体を改善して、なるべく少ない手間でWeb制作ができるようになることが大事なのではないでしょうか。人・月も同じようにごりごりと力技でHTMLを書きまくるのと、いわゆる「きれいな仕事」、独創的に単純でシンプルな仕組みを考案して導入するのと、同じ人・月で換算されるのでは、なかなか質の向上が起こりにくいと思います。人も組織も変わることを想定して、仕事のフォーマットを決めたり、作業フローを表したり、またデザインルールを策定するなどの目に見えにくい仕事が実際のところ、大きな価値をもっていると思います。一式でいくらという大ざppな方法では、ある程度以上の規模の仕事は受注する側も発注する側も危なくてできません。僕たちはできれば年ベースかつ月額のフィーで契約することを好みます。それに特注作業のバリエーションが加わるというのが一番リーズナブルな方法ではないかと思っています。企業の情報創造の根幹に関わるWeb造りを行う上では、ある程度の長期的なパートナーシップをもたないと難しいのではないかと思うからです。その対価が高いのか安いのかをある程度の期間をかけてお互いに見定めるような仕組みが好ましいのではないかと思うのです。
Webはまだ、スキルセットといって制作技術が確定されていないところがあります。Web制作や更新を簡単に行うようなアプリケーションもいくつか出されていますが、一度使い出すとその仕組みから外に出るのが難しくなり、機能的な制約が生じることがあります。また、笑い話のようですが、毎月数十万円払ってそのアプリケーションを使ってサイトを更新しているのはいいんですが、実際にHTMLでコーディングすればその数分の一で出来てしまう、というような話もごろごろしています。最近流行りのFlashですが、一度Flashにいくと(ということはとりあえず外見を重視するということですが)、全体にFlashでつくる事が求められるようになり更新や機能追加が難しくなる、といことも生じています。僕たちの会社は別にフラッシュをやらない、ということではないのですが、どちらかといえば「終わりなきデザイン」としてWebをプロセス・デザイニングとしてとらえる視点を重視しています。Web制作には、毎日あるいは毎月ルーティンとして流れる作業と、そのプロセスを変える、新しいプロセスを造るダイナミックな作業の両方が求められているのではないでしょうか。その更新作業とアプリケーション開発を、同時に行う事ができるようなパートナーシップをクライアントと築ければと考えています。
 Webの制作者には個人として、作家的に仕事を行うタイプの人も多いと思います。僕たちはむしろグループとしてなるべく情報を共有して学んでいくようなスタイルを指向しています。これは会社役員に大学の講師を務めるような人材が多いからかもしれません。時々会社の中での議論になるテーマなんですが、Web制作という仕事が最終的にどこかに落ち着いて、組織として行われる行われるようになるのか、最期まで個人性や作家性が残る世界があるのか。僕たちは前者の方法論を今、歩んでいますが、後者の個人スタイルがずーと残るのでは、という気もします。いずれにせよ「終わりなきデザインのための学校」コンセントを宜しくお願いいたます。

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