usen宇野社長によるlivedoor株式取得 |
2006/03/16 ライブドア |
usen宇野社長によるフジテレビが所有しているlivedoor株の取得は、彼らしい大胆な決断でした。
私がひとつ思い当たる理由は、同社のGyaO(無料ネットテレビ)は、ネット上でユニキャスト放送を行っておりますが、これについては先日NTT東日本の和田社長が次のような「ネットワークただ乗り論」を展開し、厳しい批判を加えている背景があるのではないでしょうか。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060222/230391/
「GyaOは我々が構築したインフラに“ただ乗り”している。許される行為ではない」
Skypeが映像を扱い始めたことを指摘し,「ネットワーク設備の拡充に関して強い危機感を持っている」
Web2.0的、P2P的、しかも映像的なるネット利用に対してネットワーク事業者が反撃を行う状況はアメリカでも出現しています。
「米国では2005年秋ころから,ベライゾン・コミュニケーションズやSBCコミュニケーションズといった通信事業者が,検索サイト大手のグーグルやIP電話事業者のボネージなどを相手に,ネットワーク利用料を支払うべきだと主張し始めている。」
そこで注目すべきなのは、livedoor社が株式を保有し、現在そのグループから離れようと画策中の「メディアエクスチェンジ」社です。同社の吉村伸社長はネット創世記からの、伝説的技術者です。
同社同様に技術力があるIIJはすでにNTTの関連会社。独立ネット技術会社としてはピカ一といえましょう。
メディアエクスチェンジが提供するデータセンター、ストレージ、コロケーションサービスなどは、上記のトラフィック増を解決しうる技術力、またその解決のためのコスト構造を解明しうる高い機能をもっていると推測ができます。
そしてさらにいえばusenは、電柱間にファイバーを張り巡らせており、ネットワークインフラのコスト構造も熟知しています。
さらにライブドアが保有するSkype。宇野社長の視野にあるのは、P2P的な映像配信の仕組みかもしれません。
そして宇野さんの友人であるネット経営者数人にとり、ライブドアの残りのビジネスモデル、金融、ポータルなどは、利用価値が高いと思われます。
しかしリスクが高い投資であることは間違いありません。
最大のリスクはホリエモンと共同出資者になることです。
以前怖い人との付き合い方について警察にいわれたことがあります。
「短期の取引はいい。しかし建物の賃借と共同出資だけはやめたほうがいい」・・・と。
訴追リスクから、前経営陣は保有株など資産処分を迫られるだろう、とは思います。
一方犯罪を認めていない人は、自ら進んで株を処分することもしないだろう、とも思います。
フジテレビとの関係はどうなっているのか。
同社から株式を取得する時点である種「友好関係」があることは間違いありません。
しかし株の移転後フジテレビは、ライブドアを告訴する、仇の関係になることも事実です。
購入を決めたでなにかの約束があったのか。あった可能性も相当高いと思います。
またライブドアは個人株主からの代表訴訟のリスクも抱えています。
同社の解体的利用は、そうした訴訟リスクを踏み越えて行わなければなりません。
これは会社でできる決断ではありません。個人が個人資産を持って対応すべきリスクです。
そして・・・宇野さんは企業家としてその決断をしました。宇野さんは、ネットワークインフラ会社(含む日本テレコム)
に異なった次元・違うレイヤーからの挑戦状を突きつけるつもりなのだと思います。
現況このリスクテイクをする必然は、そこにあったのではないか、と感じます。
なおこのエントリは私の個人的な推測であり、なんら内部情報を含むものではありません。
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