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キラーコンテンツ探しは「金鉱堀」ではない

2001/03/30
ビジネス

僕はメディアの仕事をしているので、よくキラーコンテンツはなにか、と聞かれます。
答えは・・・・「そんな貴重なもの、新しいメディアにもったいない」これです。
例えば、コンピュータのキラーコンテンツって、なんだったんでしょうか。
それはワープロとエクセルと電子メールとwww(データベース)です。
人間の側からいうと「残業」がキラーコンテンツです。
会社じゃなければ仕事ができなかったのが、家に持って帰ることができるようになったのです。
今後もコンピュータ上でキラーコンテンツが出つづけるのか?僕はそうは思いません。
キラーコンテンツの原型が出そろうのはメディアの立ち上がりの時期に集中します。
上のイノベーションがあっただけですごいことだし、僕はもう十分満足しています。

この保守性は、より大衆の広範な支持を必要とし、歴史があり、ビジネスではなく家庭で楽しまれるメディアであるテレビでは、さらに際立ちます。
新しいテレビのキラーコンテンツはなにか。それは常にニュース、スポーツ、ドラマ、音楽、映画、ドキュメンタリー、カルチャーの7つです。
作り手からいうと「スターの持ち上げと引きずりおろし」です。
見る側からいうと「わかりやすい」「感激した」「どきどきした」「スペクタクル」などです。
視聴者の感情に急激な進化はありません。作り手にも劇的な進化はありません。
ハリウッドのスタジオのメンバーはこの何十年か、ほとんど変わっていないのです。
もしコンテンツ業界に革新が本当に起こっているのだ、としたら、サンノゼとか、NYとか、あるいはロシアにスタジオができているはずです。
作家や音楽家という職業があります。制作活動のイノベーションがこの業界に起こっているのか?答えはNOです。
(むしろ退歩しているという意見もあるぐらい)
ゲームではどうか?たしかにロシアで発見された「テトリス」はかつてない斬新さでした。でもロールプレイングはその原型がゲーム版としてありましたし、シューティングやファイティングもその原型は「本物」なんです。実際のリアルな娯楽のどれがゲームにあうのか。行われているのはそうした地道な検討や実験です。

「新しいテレビの発展のために、新しいキラーコンテンツが欲しい」
よくこういう相談があります。
僕の答えはシビアです。「火星人を連れてきて手術でもしたらどうですか?」
苦笑いがかえってきます。でも本当にキラーコンテンツ探しをするなら、テレビからまったく離れた所で考えないと無理だと思います。
もしキラーコンテンツというものがあったら、それはすでに最大のコンテンツ産業の一つである今のテレビと映画に出ているはずです。
新しいメディアは、既存のメディアの代替や、ちょっとした便利さやきれいさの進展をもたらせばいいんです。
その端末が合理的な値段で供給されれば、製作者達はちょっとした刺激を受け「安い値段でもやってみようかな?」と考えるでしょう。彼らも新しい市場についていきたいと願い、新たな刺激をもとめているわけですから。

金鉱を掘り当てるようにはコンテンツは掘り出せない。コンテンツは発明や発見とは違う。その改善のためには、もっと漸進的な細かいイノベーションのつみ重ねを必要とする。
僕のいいたいことはこのことです。

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