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ビルはこっそりと、経理ははっきりと、志はくっきりと

2001/03/26
ビジネス

みなさんはC・N・パーキンソンというイギリス人をご存知ですか?
彼は風刺と諧謔精神にあふれる1909年生まれのイギリス人で、
パーキンソン研究所というのをオランダ、アムステルダムに開設、本人は長年
英仏海峡の「チャネル・アイランド」というところに住んでおりました。
彼は「パーキンソンの法則」という面白い本を著した事でも有名ですが、その法則のひとつとして、「新築の巨大ビルを建設した時がその組織の栄枯盛衰のピークである」ということをのべました。
その典型例として彼が指摘したのは、ベトナム戦争に入りつつあった時期のペンタゴン(国防総省)や国連ビルです。
僕も上の意見に賛成します。
ひとつには企業の「栄枯盛衰のことわりが」あって、一度栄光を見ると、その後はどうしても保守的・官僚的な体質にまり衰亡の時代を迎えてしまう、ということがあります。

もう一点、上に近いことですが、僕がより具体的に感じる問題があります。
全体がよく見わたせるビルにおいて新規事業をはじめようとすると、スタートの時点での成否がものすごくよく周囲に見えてしまいます。
結局、新しい事業というのは成功したときのリターンが大きいですから、2割バッターにでもなれれば、大変なヒーローになれるはずです。
ところがみんなからよく見えるところでこの創業を行うと、失敗がよくみえてしまいます。「あいつは8割失敗しているな」と。
ところが最初、創業の時期に失敗はつきものです。失敗を恐れず、しかしそれが大失敗にならないようにいろいろと動くことが大事なのです。大胆だけれども敏感に。矛盾する両方の資質が必要です。
もし大きなビルで新規事業を行うとなれば、現在儲かっていない連中を追い出して、彼らのフロアで事業をはじめる事になります。
追い出された側は傷つき、怒り、きっと中傷したいと思うでしょう。
追い出された人以外でも、大ビルの中にいてあれこれ噂する外野の人が多ければ、中には無責任に、無神経に、いろいろという人も大勢出てくることでしょう。

僕は新しい事業は「スニークスタート」と言って、なるべくインフォーマルに小さく隠れてはじめるべきだ、と思います。小さな失敗に対していちいち揚げ足をとられ、そのことでの頻繁な介入や風評への対処に迫られる状況は避けるべきでしょう。
大胆に勝負したり転進したりする勇気が、人々の関心や嫉妬によって失われそうな気がするのです。
だんだん成功しそうになって、自然に話が外に伝わって、賛同者が出来て、和が広がって・・・というのが一番いい創業の流れではないでしょうか。
そのためには古びた雑居ビルのある部屋をかりて、こっそり創業をはじめたほうがいいとのではないでしょうか。
ただし、経理担当者だけは「この人が納得した事は正しいことである」とみんなが思うような人をおくことが肝心です。

ビルはこっそりと、経理ははっきりと、志はくっきりと。
これが新規創業の心得だと思います。

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