Blog

Prev | Top | Next

エッジの上を歩こう

2001/03/26
ビジネス

カオスエッジという言葉があります。
世の中にはまったく変化がない平坦で安定した場所(イメージのために白にしましょうか)と、変化が大きすぎてカオスの世界に入ってしまい、なんら安定も継続もありえない場所(黒)があります。
宇宙で考えてみると、星間ガスがぼんやり広がる静かで暗い星雲。もうさかりを過ぎてしまい、数百億年先までこのまま、ずーとこのままの銀河系。
あるいは、激しいガスが噴出し、強烈な電磁波や中性子が飛び交い、
いつ何時、すぐ隣にブラックホールが穴をあけるのかわからない危険な銀河系。
皆さんはどっちに住みたいですか?どっちも嫌ですよね?
人間でいえば、毎日おんなじ仕事を繰り返して、定刻に出社退勤をくりかえし笑い起こりもしない安定した人と、日々訳のわからない事をわめいて、次から次へとプロジェクトを立ち上げ、自分で新文字とかを作ってしまう人・・・・
と、どっちがいいですか?どっちもいやですよね?
(え、キミはまさしく後者じゃないか、ですって?)

創造というのはまったく新たなところにおきるわけではないのです。
これまでの人間の歴史、芸術、科学、学問体系の中で従来のものとちょっとだけ違う、ちょっとだけ新しい、つまり「99%のあたりまえさと1%の新しさ」が、一歩一歩新しい創造という歴史の一ページを開いていくのです。
冒頭のカオスエッジは、そのことを示しています。
つまり安定した白の領域と、不安定な黒の領域の間に浅瀬があり、グレイのバリエーションが広がっています。
そのグレイの中をよくみると、透明な影のような輪郭が、必死で小さな生命を形作ろうとしている努力が、かいま見えるときがある・・ということなんです。

僕は会社でもそうだと思います。
ある会社が新規事業を起こすとして、その会社でその社員がそのイノベーションを起こす、という必然が、その会社にはあるべきなのです。でなければ彼はその会社を辞めて自分で、あるいは他の会社に行ってそのイノベーションを起こしたほうが自然です。
そして会社の中核、安定事業が、先ほどの例でいうと「白」の領域です。
一方会社の外に変化の激しい危険な流れがあり、その会社のコアコンピタンスと関わりのない様々な事業領域があり、こちらが「黒」の領域です。
その間におそらく創造がおきる「グレー」の領域があるのです。
黒に落ちないように、しかし白にも戻らないように。
企業をどんどん拡大していくというのは、このグレーの領域が幅広く力強く、そしてそのエッジから落ちそうで落ちないノウハウが、沢山たまっている会社ではないか、と思うのです。

・・・・・僕の会社ですか?はっきりいいましょう。グレーゾーンのところだけでなりたっています。
僕は毎日エッジの上を歩いているつもりです。
別に、上をむいて歩いてはいないつもりですが。
僕が、あきらかに白黒ついたと感じられたときにはメールで警告を願います・・・

TrackbackURL

http://www.nozomu.net/cgi-bin/cms/mt-tb.cgi/93

PostCommnet

サイン・インを確認しました、.さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)

(いままで、ここでコメントしたとがない場合はコメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になる場合がございます。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらくお待ち下さい。)


情報を登録しますか?



Warning: include_once(): http:// wrapper is disabled in the server configuration by allow_url_include=0 in /home/users/2/nzm/web/nozomu.net/journal/000093.php on line 256

Warning: include_once(http://www.nozomu.net/journal/side_category.html): failed to open stream: no suitable wrapper could be found in /home/users/2/nzm/web/nozomu.net/journal/000093.php on line 256

Warning: include_once(): Failed opening 'http://www.nozomu.net/journal/side_category.html' for inclusion (include_path='.:/usr/local/php/7.4/lib/php') in /home/users/2/nzm/web/nozomu.net/journal/000093.php on line 256