携帯電話の文化人類学 |
1999/03/01 ビジネス |
1. コミュニケーションの個人化
—これまでコミュニケーションは「集団」に属していた
—子どもの電話を親が聞く・部長の電話を部下が聞く(大部屋の透明性)
—携帯・ISDNがもたらしているのは、家庭の複線化・コミュニケーションの個人化
—戦後の歴史は「個人化史」
消費財・家計・コミュニケーション・相続・葬儀
2. 浮遊する人間関係とメディアゲーム
−確実に伝えたいときには有線電話、伝えたいこと自体が目的の場合はPHS、特別に伝えたい事がない場合、人間関係を持ちたくない場合にはポケベル(ベルトモ)
−複数の携帯電話の使い分け 教えたくないが教えなくちいけなくなった場合、教えても教えなくても良い場合、どうしても教えたい(返信したい)場合
−「儀礼感の無さ」がポケベルの魅力
−人間関係の希薄さ・人間関係への興味の無さ
—関係を「場面別」に構築する発想の無さ・対決の無さ
−遊びの「スポーツ」化(創意工夫余地の無さ、パターン化、共通ルール化)
—付き合っている特定の異性はいなくても、200人からの番号登録がある例
−ポストメールに見る「人間関係」のゲーム化・ルール化・条件化
3. コミュニケーション不全の時代
−世代コードから個人コードへ
−世代を超えたコミュニケーションも可能な逆説
親らしい親(友人ではなく)への期待
援助交際ブーム
−「時代の変化」(高度成長による生活の変化)の矮小化(とりわけバブル以降)
−世代間コミュニケーションの困難化-リスク低減の必要性
1) 団塊世代—同質性への連帯、人格を欠けた旗幟の鮮明化
2) ポスト団塊−しらけ、シャレ、同質性からの逃避、微妙な差異化(サブカルチャー)乙女チック
3) 2つに別れたその後の世代「文化」
(1) 新人類文化—消費による無限の差異化、カタログ文化、しゃれから「おしゃれ」へ、マニュアル文化、コミュニケーションリスクの低減
(2) おたく文化−縦(蛸壺)による差異化、シェルター化、
4. 拡大する東京の中心と周辺
—グレーター東京の拡大と中核の拡大
—第一山の手、第二、第三、第四へ「山の手の拡大」
(江戸、明治、大正、昭和への時代的な拡大)
—戦後の人口集中(農家の次男、三男)と「武士」的なもの(城下町文化)の終焉
—「イエ」から「ムラ」へ。大蔵省主計局にも出現した戦後「ムラ」的なるもの
—都会=人目に規定されない「ムラ」という逆説
—昭和50年以降「16号線沿線」が東京の重心地帯に。近郊・郊外文化の中心化
村上龍「テニスボーイの憂うつ」「遠雷」が描く東京近郊の農民文化の「リッチ化」「ステイタス化」
梅宮アンナ現象」「コギャル」「援助交際」も東京「ムラ」文化の一部?
コミュニティの破壊と猟奇事件の宝庫化
5. イエ・ムラー日本社会の統治原則の終焉?—下克上社会の出現
アングロサクソン社会の価値観
ロバートベラー 「アメリカの個人主義」
佐藤俊樹「近代・組織・資本主義」をモデル化
—グローバル時代にむく「社会を細分化する個人主義」
—日本の場合、集団主義の弱体化がそのまま社会の紐帯の弱体化に?
—日本社会のエスニック化
—500年来の社会的な価値観の転換期の可能性
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