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拝啓 姉の死と介護事業のこと

2009/06/22
人間というものは

しばらくぶりに書いてみる。

なぜブログを書くのをやめてしまったのか。正直いって姉の死が大きかった。
(2007年5月3日逝去 56歳)
その前年に母を亡くしたばかりだったこともあるが、姉はまだ56歳、死の一年前はものすごく元気で、死への闘志に燃えていた。その人が一年後には骸である。(ちなみに姉の死因は大腸がんであった。)

正直に言って母の死よりも姉の死のほうが、私にとってはるかにショックな出来事だった。子供時代の、幸せな4人家族の永遠の幻想が私の中で長続きしていたのだが、その最期の、最強の仲間が死んで、私は完全な一人ぼっちになってしまい、幻想も壊れた。(そしておそらくはシスコンでもあったのだろう・・・・)
母の場合、突然死であり、その死の過程を見ることはなかった。一方姉の場合は、死の一年前、母の死の直後に不治を宣告され、死にいたるプロセス全てに姉の夫とともに立会い、最期は、聖路加病院のホスピスで、死を看取った。78歳にての母の死は、ある程度神と周りの人々に祝福される死であったが、姉の若すぎる死は、残されたもの、姉を心から頼っていたものたちには、大いなる痛手となった。もっとも痛手を受けた一人が私だったと思う。あい次ぐ肉親の死に魅入られたというか、取りつかれてしまった、と私は強く感じた。

再びブログを書き始める時に、なぜ休止したのか、という理由を書かねばならず、それがあまりに私的で手痛い出来事だったことがあり、ついつい2年もブログを書きそびれてきてしまったというのが本音である。そして最近ようやく喪があけたような気がしてきたのだ。

3か月ほど前に、ブログの停滞を心配する見ず知らずの人から、手紙を受け取り、その手紙にも返事をしそびれてしまった。このエントリをその人が見てくれることを祈りたい。
そしてこれからときどきであろうが、またブログを更新していくつもりであることを、自分にプレッシャーにならない程度に記しておく。

姉の死後であるが、たまたま縁があり福祉事業を立ち上げることになった。大田区、世田谷区で数か所、認知症対応型共同生活介護、共同住宅、デイケア施設などをたちあげつつある。これはいたって地味な活動であるが、姉の死と大いに関係があり、そして自分の中での理由もある。
私は電通時代「メディア」に携わってきて10年を過ごし、独立して「ブランド」というテーマに携わってきて10年を過ごした。これから、それらにかかわりつつも次の第三のテーマを探そうと考えてきた。その一つが「ソーシャライズド」である。社会の役に立つこと、意義のあることをしてみたい。くさいようであるが、そのような想いが強くなった。この介護事業がそれなのかどうか、確信がもてないままではあるが、架空の補助線にそって走り出してしまった。もちろんそこには志だけでなく打算もある。それは介護産業がこれからの10年で約二倍の市場規模になるであろう日本で数少ない成長産業であり、産業化や企業化が待たれている分野だということである。
そして・・・・・・孤独な自分の今後を考えたことも正直言えばある。
かつて読者であった皆さん、長いこと書かずにまことに申し訳ない。そしてあまり期待せず、長い目で見ていただきたい。


喪主挨拶

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