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博報堂の現状を憂う

2007/02/06
ビジネス

ブランド好きな私でしたから、博報堂はとても好きな会社でした。(80年代)
それが最近、あまり元気がないように見受けられます。
博報堂にお邪魔しても、フロア看板を見ても、電通のミニコピー組織を見るようではっとした発見がありません。
ADKとどっちがマージンが安いの?そんな低レベルな競争をしているように見えます。
レベルの高い熾烈な争いがないと、業界全体が沈没していきます。
90年代後半から2000年代に起きたことは、まさに広告業界の知的沈没でした。

これには代理店内部における知的部門の盛衰が関係しているような気がします。
そもそもメディア力に劣る博報堂は、知的部門で電通に伍し、優越してこそなんぼの勝負にようやく持ち込めたのです。
私見では博報堂の衰退は、クリエイティブとマーケとセールスプロモーションを一体化して、「ストプラ」と称した
ところから始まったように思います。
その結果おきたことは優秀なクリエイティブの退社でした。彼らクリエイティブには私たちが会社を支えているという矜持があったのです・・・
優秀なクリエイターは優秀なマーケやSPを兼ねていました。
一方優秀なマーケやSPが優秀なクリエイターの代替をこなせたわけではありません。
「アイデア」や「度胸」「プロの技量」が本人にあるかどうかの話なのです。
そこで・・・・「やってられません」「辞めます」あるいは「電通にいきます」となったのでしょう。
おそらくは当時のそのセクションの上司にも問題があったのでしょう。
専門家セクションの場合、上司もある程度プレイヤーたらなければ組織が持たないのです。
これは大工とか医者とか、職人セクションの特徴です。

これは電通も同様です。マーケティングとSPを一緒にして一体いいことがあったのか。
実はあるはずなのですが・・・しかしそれは上司が両方の職能をわかる、評価できる場合だけ、です。
結果そのセクションは事実上解体しました。今は、営業のみが力と数を誇り、頼りにできる専門家がいない組織が茫漠と広がっています。(頼りにならない自称専門家はあれほどいるのに・・・)

しかし電通と博報堂ではその知的崩壊の結果は大きく分かれます。というのも、営業力に大きな差があります。
知的部門が落ちても営業がなんとか上げ!上げ!「まいいじゃないですか的」なのが体質的に電通。
クリエイターに付き合って一緒にさがる↓のが博報堂の営業。というような差が実際には生じてしまいました。

その間に起きた大きな変化といえば、博報堂や電通から知的ブティックが独立したこと。
代理店から自立した会社(博報堂系に多い)と、支配下にある(電通系に多い)で評は分かれるでしょうが、
彼らは独立した名声のブランドでいきていくしかないだけに、その後の広告の水準を保ったとは思います。
(そのブティックへの分散も、支配力の大小によって狭義で電通に有利に働きました・・・・)

しかし私自身の器の小ささへ反省を含めて、独立系だけの力では、
広告業の復権!には程遠いと思います。

結果的に世の中の中で広告が小さくなった。
世の中を驚かせなくなった。世の中に影響を与えなくなった。
そんな80年代広告の栄華を生きた世代の焦りすらも、
もう誰も気にしないことのようにも感じます・・・・

以前書いた原稿です。
電博戦再燃を願う
これは今見ても本心です。そうです。博報堂にはもう一度がんばってもらいたいのです。

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