Blog

Prev | Top | Next

「美しい国へ」(安倍晋三著)への違和感 その2

2006/09/20
歴史と社会

「副島隆彦という人も同じようなことを言っているのだが・・・・」

前記安倍さんの言説と似ていると感じた文章をご紹介します。

小泉立派!(2チャンネル)

171 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2005/09/17(土) 20:08
「ハリウッドで政治思想を読む」副島隆彦著
副島隆彦さんは数々の怪著で知られていますが、白眉は「人類の月面着陸は無かったろう論」。2005年度の日本トンデモ本大賞受賞作です。)
--------------------------------------------------------------------------------------
まず「自由主義者」の訳であるが、「リベラリスト」と言う言葉は、ドイツ語にはあるが、英語ではリベラルズliberalsというのだ。「リベラリスト」と言う英語は無い。
日本の知識人層は、この初歩の事実から学ばなくてはならない。リベラル派の反対がコンサヴァティヴズ(Conservatives・保守主義者)である。
日本やアメリカで、自分の事を「リベラル」だと思っている人々は、そもそもの、本物の歴史上の「古典的自由主義者」とは似ても似つかぬものだ、と言う事に気づいてほしい。
今の日本やアメリカのリベラル達は、本物の自由主義者達とは反対の立場の人だのだ。言葉だけは「リベラル」だから、きわめて紛らわしい事になったのだ。
それは、イギリス人の18世紀の初期リベラル思想が、海を渡ったアメリカで共和党系の思想になったからだ。このねじれを理解しなければいけない。

 日本やアメリカの現代リベラル達は、本当は、今でも隠れ(あるいは無自覚な)社会主義者(ソーシャリストSocialists)たちである。だから、「本物の本来の自由思想を貫く生き方をしたい」と言う人々は、アメリカでは、仕方なく、自分達の事をリバータリアン(Libertarians)と呼ぶようになった。
アメリカでは、民主党支持であるリベラル派は、その実態は福祉優先の弱者救済主義者である。このことに気づいて、最近は自らを「現代リベラル派(モダン・リベラル)」と呼んで保守思想である古典自由主義者(クラシカル・リベラルClassicalLiberals)と区別をつけるようになった。
本物の自由主義とは「この、私の私自身の自由を、他の何よりも大切にする思想」の事だ。だから、根本的に、個人主義者なのであって、共同体優先主義(社会主義)ではない。
18世紀のイギリスの本物の古典的自由主義者たちは・「国王や教会が、私たちの生活に余計な干渉をしないでくれ」という思想態度から興ったものである。
だから本物のリベラルというのは、本当は、徹底的に新興企業経営者層(ジェントルマン)たちの思想なのである。
これが、イギリスのウィッグ党・ホイッグ党(Whig 自由党)の支持勢力を作った。
そして、トーリー党(Tory 保守党)である、貴族たちの勢力と争ったのだ。一般庶民(貧乏大衆)の政党などまだまだ現れない。
このウィッグ(イギリス自由党)の思想が海を渡ってアメリカに到着した時に、これがアメリカの保守勢力であるアメリカ共和党になってゆくのだ。
だから「もともとのイギリスの自由主義者が、現在ではアメリカの保守主義者」と言う事である。いつの間にかねじくれて意味が逆転してしまった。即ち、本来の「リベラル」という言葉が、民衆統合主義者や、左翼・社会主義者たちによって奪い取られてしまったと言う事である。この世界の政治思想上の言語使用上の重大な逆転現象に、私たちはそろそろ気づかなければならない。この事が分らないものだから、日本では政治学者たちですら、現代リベラル派と、本来の古典は自由主義者の区別がつかないのだ。
--------------------------------------------------------------------------------------
簡単にいえば「リベラリストにも『クラシック』(ヨーロッパ派)と『ニュー』(アメリカ派)がある。『クラシック』なリベラルは海を渡って、共和党になった。『ニュー・リベラル』(アメリカ派)は偽者である」ということだと思います。

(さて。安倍さんはもしかして、副島さんのご著書から影響を受けたのでしょうか?)

私は、これらの意見は珍説と思います。
というのは自由党が左派になるというのは、アメリカの十八番ではなく、イギリス(ヨーロッパ)にそもそも起源があるからです。つまり、上の言説は19世紀ヨーロッパにおける自由主義の変遷を完全に無視している言動と思われるからです。
つまり18世紀イギリスの初期リベラル思想が、まずイギリスで、特に19世紀の後半から20世紀の前半にかけて、副島さんの言葉を借りれば「ソーシャリスト」に育って、それが全世界的に(つまりはアメリカにも)大きく伝播したわけで、「ヨーロッパとアメリカでリベラリストの意味が違う」という話ではないのです。
そしてなぜ18世紀の間にイギリスの自由主義者たち、特に自由党(Liberal Party)が上記「左派」になっていったのか(なっていかざるをえなかったのか)という問題は、現代の政治思想ときわめて密接な関係があります。
(この項続く・随時書き直しあり)

「美しい国へ」(安倍晋三著)への違和感 その3

TrackbackURL

http://www.nozomu.net/cgi-bin/cms/mt-tb.cgi/216

PostCommnet

サイン・インを確認しました、.さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)

(いままで、ここでコメントしたとがない場合はコメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になる場合がございます。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらくお待ち下さい。)


情報を登録しますか?


Comment

1 - Name: Caro Ideale : 2006/09/21 00:35

初めまして。変なところから飛んできました。
2チャンネルもすごいですね。副島さんが書き込んでいるのですか?[違いましたね。副島さんの著作をパクっている訳ですね。]
安倍NDの「美しき・・」は、別の人の著作をまねた、ぱくりだとの主張が多いですが、これは、余りにも似杉ですね?ビックル一気のみでした。

2 - Name: bold : 2006/09/21 17:53

いや、まともな言説が似ているのはあたりまえに真っ当なのですが、まともでない言説が似ているというのが問題なのです。


Warning: include_once(): http:// wrapper is disabled in the server configuration by allow_url_include=0 in /home/users/2/nzm/web/nozomu.net/journal/000212.php on line 281

Warning: include_once(http://www.nozomu.net/journal/side_category.html): failed to open stream: no suitable wrapper could be found in /home/users/2/nzm/web/nozomu.net/journal/000212.php on line 281

Warning: include_once(): Failed opening 'http://www.nozomu.net/journal/side_category.html' for inclusion (include_path='.:/usr/local/php/7.4/lib/php') in /home/users/2/nzm/web/nozomu.net/journal/000212.php on line 281