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ホリエモン=ロビンソン・クルーソー仮説(2006年1月16日改)

2006/01/16
ライブドア

この原稿は2005年2月25日に書いたものです。今回の事件が下記私の予言「長い目で見ると『利害で社名を買えた会社は再び利害にて社名を変えるだろう』と予言しておきます。」の成就に一歩近づくことなのかどうか。ブランド論の専門家として興味深く見守りたいと思います。

これらの予言がたっぷり詰まった本です。
「会社は誰のものか」

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騒動のときに、尻馬にのるのもなーと思いつつ、書きたいことがあります。

 今話題のライブドアという会社は、ホリエモンに買収される数年前、無料プロバイダー事業として始まりました。現在アップルに行った「前刀禎明」さんという人が社長でした。収入は確か新規電話会社(日本テレコム?)から加入料バックをしてもらう、というビジネスモデルではなかったかと思います。膨大な宣伝費を投入したため、会員は増加し知名度もあがりましたが、プロバイダーの選択淘汰・体力消耗の時代を自ら開き、行きづまり、最後はキャッシュアウトして会社ごと売りにでたのです。(確か五億円ぐらいだったように思います)

 結局、堀江さんは会社の知名度(とユーザー)を五億円で買ったのであり、すぐにエッジからライブドアへと社名変更をします。自ら作ったブランドを大事にせず、倒産した会社の知名度を買う。堀江さんの合理行動の面目躍如ですが、長い目で見ると「利害で社名を買えた会社は再び利害にて社名を変えるだろう」と予言しておきます。
 
 最後に歴史を紐解いて一言。
 マックス・ウェーバーはホリエモン的な論理による資本主義を賎民資本主義(バーリア・キャピタリズム)と呼んで近代的な資本主義と区別しました。具体的な行動パターンとしては商略、欺瞞、恐喝による利潤追及と単式簿記(キャッシュフロー)、冒険主義、高利貸、投機、鞘取りなどあげられます。このあと、ルターやカルヴィンによって始まったプロテスタンティズム(キリスト教の新教)の信仰心をベースに、勤勉、努力、節約を旨とする近代の新しい近代資本主義が登場してきたのです。

 この資本主義の変化にぴったりと符号する物語が『ロビンソン・クルーソー』(ダニエル・デフォー作)です。出版された翌年の1720年に、南海泡沫事件でイギリス経済が破綻するという出来事がありました。
 お父さんは一攫千金の荒稼ぎを夢見る血気さかんな若いロビンソンに、
「そんな一攫千金を夢みるようなことを言って海外でぼろもうけしようというよりは、中産層の派手ではないけれども堅実で地道な生き方がいいんだよ」
と言って聞かせますが、ロビンソンは親父の言うことに逆に反撥して船出します(今回はニッポン放送買収)。堀江さんとまじめでおそらく敬虔な親御さんとの確執が、彼の破天荒さや、社会への反発の理由のひとつになっているのではないでしょうか?
・・そこを「神」(日本の政財界のがちがちの結束?電波法という特権会社に土足で踏み込んだことへの国民の怒り?)から罰が下り難波をさせ(ニッポン放送買収失敗)、ロビンソンは孤島に一人漂着(日本のビジネス界からの村八分)します。
そこでお父さんの忠告を思い出して新しい建設的で合理的な生活、倫理的で勤勉な中小市民層のまじめ生活を孤島で実践する(ホリエモン悔い改め日記・美食から健康食へ→体重70キロ台に・ライブドアの放置事業を一から地道に改善)というのが、ロビンソン・クルーソーになぞらえたひとつのあらすじです。ホリエモンの性格上、いくらなんでもありえないシナリオでしたかね?(笑)

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