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全員営業

2004/10/09
ビジネス

ものすごく久々に書きます。
ブログが大流行してなんだか書く気がしなくなってしまったのです・・・
でも一年ぶりに書いてみます。
「全員営業」。
僕が元いた会社の社内キャッチになっているようです。
ここでこれを批判する立場が、難しいです。(社外からあれこれ言うな、と)
でもまあ、正直に行きましょう。退社したOBから見れば、「全員営業」は、うれしいような(僕のビジネスチャンスの拡大という意味で)、悲しいような(その会社の人たちの将来を慮る意味で)言葉です。

 僕が若いころ恐ろしい人たちがおりました。あまりの懐の深さ。融通無碍さ。人間関係の把握と配慮。いざというときの度胸。そして溢れる愛嬌。かつては大営業という言葉がありました。
 しかし、それはいまどき難しいです。特に上場した広告会社では「大営業」たることに、まったくアカウンタビリティとモチベーションがありません。
では全員営業といったときの、理想像あるいはモデルって何なのか。
理想像やモデルがなければ、普通の人はイメージや、合理的な修行法を抱きようがありません。それは僕には「若者は特攻隊になれ」という言葉に聞こえます。
僕はその言葉の真髄のセオリーを理解していません。そしてはっきりと聞いたこともありません。(退社したからだ、とは思いますが)
でも、社外にいる僕には「ノウハウなしに死ぬ気だけある」というような、単なる精神論に聞こえてしまうのです。

 そう言いたい気持ちもよくわかります。大企業化しつつある風土の中で、そういう攻めの気分を取り戻せ(たとえば官僚主義の打破・評論家的であることを許さない)という精神論。その官僚マンネリの打破は、すべての企業にとって大事です。僕は独立して、一人営業ですから、全員営業といいたい気持ちは多分大会社の人より(それがなくなればたちまち野垂れ死にするだけだという意味で)、よくわかります。
 ただし気分や精神論だけで、今時の営業はできません。ひとつには制度的にアカウンタビリティ的に、決定的に、リアルな意味での「営業的な懐の深さ」が失われたからだと思います。リアルさを伴わない「気分だけ営業」って人は、今時とても嫌われてしまうのではないか、と恐れます。したがって全員営業をする上での、ある程度合理的かつリアルな「知的ノウハウ」ということがとても重要になってきます。

広告産業の場合、このリアルなノウハウは、主に3つです。
1. リサーチ 2. クリエイティブ 3. メディア。
この3つが同時に成立すれば、この業界こわいものありません。
2つ成立しても勝てます。その立体性が「プランニング」ということだからです。

A) リサーチ&クリエイティブ
B) リサーチ&メディア
C) クリエイティブ&メディア
どの組み合わせでも結構です。

「全員営業」といったときに、その「全員営業」が、この立体性を演出できるのかどうか。しいていえば、今あるのはB)ですね。そもそも親和度が高い世界だからです。これは大規模代理店ならではの独壇場ですが、付加価値には限度があり、飽きがきます。
そして最も重要なA)やC)は、今の大規模代理店にはほとんどありえません。
(専門家集団の距離の深さからか)(組織を一緒にしてもよけい距離が開いたのか)

 かつては専門家集団が傍らにいるときに、自らの専門性をひけらかすと営業は嫌われるという社内本能がありました。営業はしたがって専門家集団の人間関係コーディネータであれと。そこにもちろん真実もあります。だけれども、いまどき、そんなことは社外的には通用するのでしょうか。その立体性を演出する際に、そのいずれかでるか、複数を知っているとか、あるいはそこの共同体にかつては属していたという経験、あるいはそこでも勝負するという知性(というか負けん気)が必要なのではないか。
 かつて僕のいた会社では「ローテーション人事」といって、全員が異なった職場を経験するということをしておりました。
その世代は、入社でいれば52年から58年ごろまでと思うのですが、属していた自分で言うのは何ですが、それらの世代は今、相当優秀です。

顧客接点(クライアント)の前で板前のように、上記の立体性を芸として見せれないと、僕は全員営業は、全員は生き残れないのではないかと思います。
つまり、全員営業=全員専門家(プランニングと立体化の)
でないとありえない、と思うのです。

これはメディア会社とAEを分離した、H社の営業の方に是非ご意見を伺いたいところです。
ということでD人の反論、ご意見も、是非お待ち申し上げます。

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