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出世の階層を減らすと何が起こるか?

2001/03/28
ブランドと経営

今、多くの会社では、ピラミッド型の組織をやめてフラットにしようとしています。
ネットワーク社会になると権限を分散して、さまざまな意思決定を現場に近いところで
すばやく行う必要があります。そのために組織を文鎮型にしていこう、というのが今時の経営の流行です。
でもフラットにしていくと何が起こるか。
組織の中でのノウハウの移転が起こらなくなるんです。
若い人もベテランも、同じ位や年収だから、年をとった人は若い人に仕事を教える気にならないのです。
つまり中堅と若者は「ライバル」になってしまいます。
仕事、というものは工場における単純作業は別にして、ことさら手をとり足をとり、教えてもらうものではありません。とりわけホワイトカラーの仕事は顧客やスタッフとのハイコンテクストな協同関係を必要とします。
上司の仕事にくっついているうちに「どうしてこの人はこうするんだろう?」という疑問が湧き、考えてみたり、ためしにやってみるうちに、みようみまねで、なんとなく勘をつかんでくる。
そういう仕組みでノウハウが移転していくのです。
しかしフラットになるとそう簡単には部下に仕事を教えるわけにはいきません。
そもそも最初からノウハウのある人だけを採用する。これが一案です。
これまで大学卒は癖がなく組織に忠誠心をもつので、高い評価を得てきました。将来の幹部候補は君たちからだ、と。
しかしこれからはわかりません。欧米のようにむしろ競合する会社でノウハウやスキルを身につけてきた人を優先的に採用するようになるのではないでしょうか?

そこでまず重要になってくるのは体系的な組織内教育です。
フラット組織の幹部は多くのケースで、ピラミッド組織の幹部より優秀で汎用的な経営智識の持ち主でしょう。
(数が少なくて選別が厳しいですから)
彼らが講座を組んでそれぞれのノウハウやスキルを開示し、組織を隔てて教えるのです。
その教育の上手さ加減が今度は、幹部の評価ポイントになるのです。
もう一つは組織における「冗長性」の導入です。
フラット組織の階層や序列とかかわりない「専門職」を、組織の中にばらばらとまいておくのです。「エデュケーター」とか「アドバイザー」とか。これはリタイア後の退職者の方にも向くと思うんです。
そしてシビアな競争の中で落伍者が増えないように、あるいは組織にぬくもりを与えるために、あるいは優秀な人を一皮脱皮させるために彼らは動きます。
「どう、最近?」「ちょっと君を見ていて気がついたことがあるんだが・・・」
いってみれば昔の叔父とか伯父ののり、ですね。

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