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サラリーマン人生2段階説

2001/03/28
人間というものは

むかしは優秀だったのに。
若いときにバリバリならしていた多くの管理職が45歳前後をさかいに、そういわれます。
本当は能力なんて、そうとう年とっても衰えないものなんですけどね。
官庁でもそうですね。
課長になると、ごく一部の傍若無人な人を除いて急におとなしくなってしまうんです。
僕もそのぎりぎりの瀬戸際で会社をやめました。
まず、若い人の指導をしろ、といわれます。育てろと。
いつまで現役で頑張ってるのか、と。
だけど僕はほとんど人に仕事を教わったことはないんです。
みようみまねはあっても・・・仕事それ自身から学ぶということはあっても・・・・
だから自分が仕事をしている姿を見てもらう以外に、若い人を「指導」をするすべが僕にはありませんでした。
もうひとつ中間管理職は、会社の中で人間関係が幾何級数的に増えてくる状況に直面します。それまでの会社員生活ではせいぜい上に出会うのは一人か二人。
直属の上司筋ぐらいのものです。
しかしだんだん管理職同士や役員との交情が芽生えてきます。
それまで若い時代の昇格と違い、今後はピラミッドの階段をのぼることになります。
誰かがポイントを稼ぐと、誰かのポイントが減るゼロサムゲームの世界です。
そこで「覚えめでたさポイント」がたまってくると・・・
おそらく昇格となるのでしょう。(想像するに、ですが)

僕が感じた窮屈さは、さまざまな人間関係が錯綜してまるで「納豆」のように組織が粘りっこくなっていく感覚でした。
なにをしても、どうやっても、誰かを傷つけたり不快にさせてしまったりする感じ。
年功序列というのは結果として人間の能力はそれほど差がない、という平等論にたたなければ存続が難しい制度です。しかし職種によっては、例えばコンテンツ業界では仕事が出来るのと出来ないのとでは天地の開きが出き、とても平等であるというフィクションを続ける事は難しいと思います。
そこで人をそれほど傷つけずに生きていくためには、なんにもしない、何にも考えない、なんにも感じないほうがよほど楽であると感じました。
だからみんな有能であっても、その爪を隠して「無能」のふりをしていくのではないか、と思うのです。

日本では基本的に優秀でないと、大きな昇格は得られません。
つまり最初に管理職になるとき。あるいは役員になるとき。
潜在能力が高くないと昇格は難しいと思うのです。その点についてはシビアに観察が行われます。
しかし、そこまで能力をひけらかしてきた人は嫌われます。
能力が高いのに全回転でこなかった人、アイドリングの余裕がある人、若隠居のフリができる人が、リーダーとして好かれるのです。
日本人はそうしたところも、極めてよく観察しているのです。
僕場合でいいますと、あまりに全回転すぎました。
自分の能力は、たとえれば高速自転車のようなもので、回転数を落とすと完全にダウンしてしまう特性があるのです。
だから後年、次第に回転数を落とさなければいけなくなったときには、会社の門をくぐるときにまるで床下に入る心地をあじわいました。

・・・・でもそれでは僕らのカルロス・ゴーンは出てきません。
そこそこの人がそれなりに集まってこそうまくいくルーティーンというものがあります。
一方で、能力がある人が全身全霊でもって打ち込んでこそできることがあるのです。それは新たな創造であり、大きな改革やジャンプです。
外国人経営者をどんどんスカウトして、あるいは政治家すらも輸入して当面を乗り切ればいいのかもしれませんが・・・僕は、明治の先人達のように、時代の創造と改革が僕たち日本人自身の手でなし遂げられる様を是非見たいと思っているのです。

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