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電博戦再燃を願う

2001/03/26
ビジネス

80年代のことでしょうか。銀座や六本木を歩いて電通マンと博報堂マンがすれ違うと、ぴリッと緊張が走ったものです。あるいはバッチをつけている相手先が飲み屋にいるとすかさず隠します。
伊賀対甲賀。メディアコミュニケーション業界における二大黒子の遭遇神経戦・・・・
というような感じでした。ちょっと大げさに語っているかもしれませんが・・・

僕が思うにはこの2社はなんだかんだいって「ブランドエージェンシ」なんです。
噂の2CHにかかれたり、大トラブルが起きた後、なぜかお得意さんから感謝状がくるの類が電通のブランドイメージなら、雑誌「企業と広告」で「博報堂、新しいキャンペーンアイデアを提案、扱いを奪取」と書かれるのが博報堂のブランドイメージです。
電通の総合力、博報堂の真っ当力。思えばこの対決があった80年代は、いまよりも広告業界が光り輝いて見えた時代でした。

僕の理論に「自分がブランドになれない人は人のブランドも手伝えない」というのがあります。
だって自分がブランドになれないってことは、ブランドの作り方がわからないとか、うまくない、ってことですよね?
そんな人が「御社のブランドは・・・」といってみても、「ちょっとすみません、まずすその理論だか実践をご自分で試されてから来てくれませんか?」となってしまうと思うんです。
その意味で、電・博は「ブランドエージェンシ」たりえる2大企業の筆頭であることは間違いありません。
この2社がしかし資本市場という荒波に、もまれています。
電通の上場は2001年、博報堂は2003年。
グローバル化の波に洗われた投資銀行という業種が長らく続けた未公開のパートナー制度をやめて、大多数が株式を公開したように、グローバルな広告会社という業種も株式公開が当然という時代になってきたのでしょう。
公開のメリットは資金調達が容易になり、また経営の向上進化がスピードアップされる点にあります。
しかしその過程では、これまでの「黒子」から脱して、経済社会における業種としての存在価値を、真正面から投資家にアピールできるかどうか、が問われることになります。

電・博はこれまでどおり激しい広告の獲得競争を繰り広げることでしょう。
だけれども僕たちは今、クライアントのソリューションパートナーとしての役割を、広告業界の枠からはずれてIT業界やコンサル業界、あるいは投資銀行、ときとしてクライアントの関連会社と争っています。
かつてのわかりやすい「騎馬戦」は今日「ゲリラ戦」になったのです。
もう一度戦いの場所とルールをきちんときめるために。
「未来の広告会社やブランドエージェンシとしての機能と役割を明確に理論化しイメージする」という作業を、この2社が意識のなかで互いに協力して行っていく意味は今、ものすごく大きいのではないか、と僕は思うのです。

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