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それほど優秀でもない人がパイオニアになる方法

2001/03/03
人間というものは

日本の放送の経済学的研究において私はある種のパイオニアといってもよいでしょう。
(メディア綜研の菊地実先生とならんで)
というのは以前この学問領域では「マルクス経済学」が支配的であり、放送産業は電波の独占による利潤を得たからには「文化」「公共」に貢献しなければならない、あるいは国家への対抗力として組織的な闘争能力を持たなければならない、という類の言説が、80年代まで幅をきかせていたのです。(日本的ジャーナリズム論とかって奴です)
おそらくその頂点には東京大学新聞研究所がありました。高木〇〇というその所長さん(当時)と私は90年代はじめに対決した事があります。(むこうは、対決とは思ってなかったでしょうが)
「君ぃ。なぜ民間テレビ放送はもっとまじめに教育に取り組まんのか」
「昔はテレビを通じてしか海に接しない高地の小学校があったでしょう。先生も生徒も、テレビではじめて海を見てよろこんだことでしょう。確かにテレビは大切な教育装置でした。
でも先生、今やビデオがあるじゃないですか。それってビデオじゃ駄目なんですか?」
「平成教育委員会(フジテレビ)があります。あれってNHK教育より世の中のためになってませんか?」

大学やとりわけ学会というものが、結局教授や助教授人事を通じて、自分の言説に関する政治的な圧力をかけることが可能、と言うことに対するいらだたしさが、私にはありました。だから放送におけるもろ形而下をやってやろう、と意気込んだのです。

もう一つは計算です。逆にそうした言説にとらわれているから、優秀な先生であってもこれは放送を経済学的に考える事は到底できなくなっているな、これはと(笑)。
だから僕が適当に「経済学」とか「経営学」といいつのれば、先人は誰もいないな、と・・・・
上に誰もいない、というのはそれほど優秀でもない人がパイオニアになれる絶対条件なんです。

今は時代が逆です。
結局、「放送の経済学」という本にまとまった研究会をしたときに、〇〇商科大学とかっているところの若い先生が噛み付いてきました。(〇〇は確か東京近県)
私が「プラットフォーム」という言葉を不用意にばんばん使ったからでしょう。
「プラットフォームという概念は、従来の経済学にあり、わざわざ新しい用語として使う必要は無い」
使う、使わない、は僕の勝手、流行る、流行らないは世間の勝手ってものでしょう。
僕は学者じゃないから、用語や概念を巡る学会政治学には縁がありません。
彼はそれが・・・・・わからないのでしょう・・・・(人間と言うものがわかってないから)
てめーら、後からのこのこ放送ジャンルに参入してきて、勝手な事ほざくんじゃねえ。
(俺は学者っぽいふりしただけで、本当は怖いよー)

!(笑)そうだ。こういう若者が増えてくるって事はそろそろ放送の経済学も「中年おばさんがミニスカを履きだした頃」と近いな。放送における公共性をじゃあ、そろそろ言い募ろうか。

(高木先生もセミリタイヤしたことだし)というのが、僕の今のスタンス(計算とも呼ばれる)です・・・

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