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@Bold語録(2001.1〜2001.2)

2001/03/01
人生・本そのほか
2CHに書く事についての賛否は知っています。

 しかし、僕はそのままだと文体が固くなるので、ある程度読者を想定しながら書いたほうが、文章が柔らかくなるというメリットがあり、メモ代わり、備忘録として使っています。
(ひろゆき君、なんとか金稼いでサーバー続けるように)

  これまで新聞や雑誌などのフィックスメディアにしか書いた事がない僕にとり、2CHの書くのは、まったくもって斬新な体験でした。これまで会社員だったときには自分の言動に責任を持ちきれませんでしたが、今や一人の個人として、悪意を含む多くの人々に対して責任と備えを取らなければいけません。
(間違いや勘違いの手痛い体験を含めて) しかし、そのひりひりする緊張感が、心地よいときもあるのです。 気がついたことは当初、知らない人を「傷つけても」まったく気にならないんですが、先方のまともな反応、あるいは傷つき方を見ると「申し訳ないことをした」と感じ、それなりの交情が生じたり、配慮が生まれたりするという点です。それがコミュニケーションの原点である、というあたりまえの実感を僕はいだきました。
(しかし一点だけ。僕は匿名のコミュニケーションの楽しさを満喫し、その楽しみにふける人をよく理解するものの、個人的には匿名のコミュニケーションはそれほど好みません。)






「人は知らないが僕にはIT革命が訪れた」(IT革命はないという意見への反論)

37 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/23(火) 20:53

えー!?IT革命ってあったじゃないですか。1993-5年ぐらいかな。 メールを皆が使うようになって、検索サイトができて、海外からいつでも連絡できる ようになったのって、革命じゃなかったですか?
それは歴史的には、航空機や鉄道、車と同じくらいの「革命」ではあったでしょう? 革命はいつかは終わるものだから、その始まりの終わりはもう来たって事でしょう。
だけど、今ごろ来て革命を信じるな(笑)って言われたって・・・・ お前が信じなきゃいいじゃん。きっと革命なんてなかったんだよ。 革命の後は保守なんだから、IT保守でもやれば?




「ITは結局意識革命だ」

名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/26(金) 09:03

結局ITとは、インディビジュルアンドチーム。 つまり起こっているのは個人組織革命、ってことでしょ。 社員がばんばん2CHに社長の女癖書き込む世界って、ある種「意識革命」でしょう?
こうやって全然知らない人が口角泡を飛ばして、言論(ってれベルじゃない?)をたたかわせるストリートクラブの出現って誰かの意識は確実に変えてるでしょ? 個人の自立性がない人はいつの時代でもいて、その人たちには「意識革命」なんてありえません。
GDPとか失業統計とか企業の生産性で革命の有無を見ているわけだからね。 (全共闘の時代じゃないんだって。全社会革命が頓挫したあの時の失望を、今にまた投影しなくていいんだって。そういう人は、電子靖国神社ででも「高度成長期会社軍の敗残者」として祭られてろ!って話)
IT技術は能力のあるもの、勇気のあるもの、そしてまじめに日々努力と挨拶を欠かさないものを、「一人騎馬武者」にかえていくんだよね。 それ以外の人、自分の能力、意識の中に革命が起こり得るんだということを信じない人、努力をしない人、勇気がない人は、いまのまま安心していればいいんだって。
君達には・・・・・革命は起こらないんだからさ。



「ITにおける官僚主義を殺せ」

88 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/28(日) 09:53

資本主義が成功して行き過ぎた暁には、技術革新や企業進歩において官僚主義、日和見主義が忍び込みます。 勇気をもった個人ではなくて委員会や組織がイノベーションを起こす、という幻想が広がります。企業の官庁化、といってもいいでせう。
 個人の勇気や欲、特別の能力が否定され、万人がその夢(革新や進歩)を 共有し行うというドグマが広がるのです。 「IT革命」を唱えないものは、時代に乗り遅れた保守派扱いをされ」たり、
「IT革命を盲信し、莫大なIT投資をする者が「先進的」とされ」たり、 「このご時世ならIT革命に失望した人を 擁護する立場についたほうがウケがいい」  というのがまさにこれ、です。
62さん 必死で、現実路線を歩むよう説得しているところです。 自分の査定を考えれば、無責任に肯定派になることもできますが、自分の評価のために会社の経営資源を無駄使いするのは、性に合わないですから。
あなたが戦っているのは、あなたの勤めている大会社で、社長以下が社畜となったときに生じるところのIT官僚主義、IT日和見主義そのものですよ。 さてそのときにITはあなたが会社に隷属するだけでなく、自らの技術をそこで磨いて、これ以上組織との無用な戦いに時間を取られるのではなく、その技術や経験をいかして、青天井の、無限の大海に船出する人脈、メカニズム、そして僕のような見ず知らずの人間から叱咤を受けつつ(笑)、あなたはあなただけで
そこにいる訳ではない、という勇気を得、あなたの個人意識革命を起こすのにまったく意味がある、とそういう訳です。 ポーランド軍に包囲されたグダニスク造船所でワレサ委員長(当時)が、BBC国際ラジオに自分達の戦いが報道されているのを聞いて、いたく勇気付けられたのと同じ事ですよ・・・




「最も優秀なSEって長編小説家、じゃない?修士さんとやら」

30 名前:名無しさん@bold投稿日:2000/11/26(日) 22:29

僕思うに、もっとも優秀なSEは長編小説家のはず、ですけどね。だって長編小説って、15万字から20万字書いて物語を入れ子入れ子で作って、全体を3段ぐらいの大きな入れ子にして(村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」(新潮文庫(上巻ISBN4-10-100134-0・下巻ISBN4-10-100135-9))参照))、しかもバグ(途中で登場人物の性格が変わる、矛盾が生じて殺さざるを得なくなる等)がなく、しかも独創的なのが「いい長編小説」じゃないですか。
経営学(だとして)の修士卒業して企業に入って、なおかつ「学問で身をたてている」って言い切れる人は本人に誤解がないとすれば、よほどの「大人物」に違いありません、はい。




「日本ではコンサルは成立しにくい」

38 名前:名無しさん@bold投稿日:2000/11/27(月) 02:22

32 ガースナー氏と前アーカーIBM社長のような「MBA共同体」がない、つまり東証1部、2部でMBA出身の社長がほぼ皆無の国、日本では、いわゆる「経営コンサル」なんて、実践されていないんですよ。
だからコンサルは全人的たることを許されず、手段的にならざるをえないって訳です。小説家は少なくともそこには人生のあらゆる叡智をこめているから「人生コンサル」はできるわけだし、だいたい、日本の経営者なんて自分の人生のコンサルを先に受けて強い個人を獲得してから会社経営にあったったほうがいい人、どうみても多くありませんか?




「ITという言霊に頼る国日本」

51 名前:名無しさん@bold投稿日:2000/11/29(水) 06:21

47 日本では変化は必ず内部からは起こらず、外部からやってくるんです。自分では自分を変えられないから。この30年、最大の変化は常に情報化(と国際化)でした。「ITに対応しないとわが国の未来はない。全国一丸となってIT対応を進めよ」「IpV6で行くぞ!」(わけわからん森首相)の類を企業は笑えません。だからSEが宣教師(コンサル)の役割を果たしたし、今はアーサーセンコンサルテティング(国際化と情報化、両方をおまかせ)の天下になりました。それがSEをコンサルと言い換えた僕なりの理由です。パソコンが大企業で普及したときに、あれが個人の道具であり、個人がある程度確立しないと意味ないよ、ってもうちょっと言ったほうがよかったかもしれませんね。




「なぜアメリカの経営者はヒーローになるのか」

42 名前:名無しさん@bold投稿日:2000/11/28(火) 21:26

というか。 アメリカの会社および国家のベースにあるのは「プロテスタンティズム」というわけです。(大統領宣誓式や社長就任演説の様式は極めて礼拝に近いものがある)
つまりマイクロソフトはビル・ゲイツ教であり、はるばる北京やモスクワやアフリカにまで「宣教」にいくというわけです。デル(デル教)だって、オラクル(エリソン教)だって、シスコ(知らん)だって、あるいはコカコーラやマクドナルドが、その典型例じゃないですか。
そこにおける「経営者」というのはその会社で神にもっとも近い「法王」であり、コンサルは「使徒」だか「天使」って考えれば、とっても分かりやすいじゃないですか。(ああ素人にわかりやすい説明って反論がしにくい簡明さを備えていて、我ながら危険だな—(笑))




「非・理・法・権・天という日本企業のルール」

50 名前:名無しさん@bold投稿日:2000/11/29(水) 06:06

日本の会社のルールというのは、非・理・法・権・天とこの順に偉くなっています。僕も含めこのボードの人はさしずめ、理のレベルのプレーヤーでしょう。間違った意見(非)には勝てますよね。しかし、それよりはたとえば人事部の規則(悪法も法なり!)のほうがつよく、さらに専務かなんかの一言(権)により人事部がいきなり軟化し、さらにその上に多くの会社では「天」がいて専務の人事権を握っています。
ダイエーの場合では中内さんが天、権が鳥羽さんでした。鳥羽さんは自社株買いという理があったが、出資法(法)に違反した社長(権)ですが、無残にも(かなんか知らん)「クーデター」とされ、3年に一度降りてくる中内「天」により切られました。今回はさすがに天も天、ということで「天」もいなくなりました。鳥羽さンは「トップ間のガバナンスが不明確」と言い残しました。(一説にはこの1年口を利いていなかったらしい)
直接金融化ではこの「天」の指揮能力が会社の生死を分ける時代になったと僕は考えています。コンサルタント、というのはこの「天」=最高指揮者につかないと、大きな改革ができないし、だいたいいいお金にもなりません。しかしですよ、日本では天につくものは「無用なとりまき」「奸臣」ということになり多くの場合中間管理職に蛇蠍のごとく嫌われます。
さらにその天が、「個人」をもたず、つねに状況に流されふらふらして、その結果猜疑心と嫉妬にまみれている場合・・・・雪印、三菱自動車がそうですが「無能な役員ほど可愛いし安心ができる」って感じの役員人事が横行し「役員は低脳軍団」が出現することになります。そこについちゃったコンサルって、なんの役割もはたせないし、もう、全社のわるものにならざるをえないと僕は思うんですけども。
質問に答える形で整然と話をしていなくて、ごめんなさい。



「マーケティングはまず、自分から」

90 名前:名無しさん@bold投稿日:2000/12/03(日) 20:04

まあまあまあ。(両者とも) マーケティングというのは、まずその理論だか実践だかを、自分でやってみて、それがうまくいく人なら、初めて人に言えるって話じゃないですか。
サラリーマンなら、もの売る以外に自分を売るっていうのがあり、ようするにある程度出世する人って言うのはちゃんとそれなりに、マーケティングをしているわけです。(人事・総務にいたって)
学者なら、早く助教授?教授?になるとか、あと本とかかいてタレント先生になる人は、それなりにマーケティングをしているってことでしょう? 問題は!だめ学生?だめサラリーマンは、自分の「マーケティング」ができないから「だめ」なわけで、そんな人がいかに勉強しても?もの売っても?さらには、それを人に押しつけようっていうのは、まったく勘違いだらけの人生ってもんでしょう。
さらに一言いえば、会社でだめで学校に戻って相変わらずだめなのに(教授になれるわけもないのに)、勉強しているって(本人その気になってる)だけで、己の「だめ」をなんとか忘れようっている奴が多すぎるって話じゃないですかね?




「俺は経営管理という言葉はあまり好きではない」

123 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/29(月) 06:58

111 すげー。 「経営管理には、人事管理、法務管理、財務管理、組織管理など「社内」に対する 管理と「社外」に対する管理、つまりマーケティング管理とに分けることができます。
」 まるで慶応大学経営管理研究科とか、大企業の経営管理室がその「タイトル」を正当化するためにつくったような理論で驚いてしまう。 マネジメントを経営管理と訳した瞬間から、日本の経営の衰退ははじまったのだ。
直接金融のもと、アウトソーシングが経営の主流となる世界では、全ての優秀な経営資源はステイクホルダーと向きあえる「コミュニケ—ター」であるべきである。 人事や総務の通常業務はアウトソーシングされ、そこにはどこかしら人的な疎外感覚をかもし出す「管理」という発想はなくなり、リスクを含むストラテジー構築=コミットメントの明確化=実行と結果を出す人だけが尊ばれるはず。
消費者や流通に直面するマーケティングと、金融業界と株主に向き合う財務、社員と社外の優秀な人材に向き合う人事・組織設計は今後も経営の根幹であるが、なかでも企業にキャッシュフローを産み出す根源はマーケティングであり、また株主も社員も社外の優秀な人材も、基本的に彼らの企業判断の価値観を造る
センスは「消費者」なのであり、そこではマーケティングとブランディングは企業の根本能力を形作っていくことであろう。



「マーケティングを行う2つのスタンス」

126 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/04(日) 09:52

解説すると(っていうかこの掲示板における実務者系と学者系の対立に いきつくが) マーケティングを考えるさいに、それを所与のものとして、自らコミットメントすることなく事後的に分析する立場(それは社内的には「管理」という立場になる)と、それをこれから自ら行おうとする立場の両方がある。
後者で必要なのは「イノベーション」、つまり若干のアイデアと、正しい見通しと勇気、部下、上司、取引先を説得するコミュニケーション能力と政治力と、不退転の決意と意思等の総合力ってことだ。
一方前者でもとめられるのは計数感覚だったり理論的バックグラウンド、学習力、分析力というわけだ。 高度成長期、あるいはアメリカにマーケティングの先端がありこれを学べばマーケティングができる、という時代にはある意味ではイノベーションなしに学ぶ事によりマーケティングが達成できた。だからマーケティング学者が、管理学習系が尊ばれたわけだ。今は違う。
後者、つまり実務家が苦労しながら、戦死を覚悟しながら、強引にイノベーションをおこなわなければ企業は勝ち残れない、そういう時代になった、ということだ。 だからいまさらの「管理発想」を俺は嫌うわけだ。



「経営学におけるイノベーションとは?」


127 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/04(日) 10:10

このこと(イノベーションと経済学とどのような関係にあるのか)については東大講師、小室直樹先生の新著が ベンチャーについて書いていて、あいかわらずの小室節でとばしてる。
経済学で「イノベーション」を論じた大学者は過去シュンペーターただ一人であるが、マルクス、マルサス、大学者の近年の長期経済理論の ほとんどが破綻するなかで、シュンペーターのイノベーション理論のみがまだ破綻をきたしておらず、イギリスのサッチャー革命はこの理論で読み解く
べき、と彼はこの本で論じている。 (ちなみに長期経済理論は社会学に近く、計数的にはこれを行うのは無理である。 東大、ハーバード、阪大でそれぞれ社会学、政治学、経済学を学び、海外に行く前に
オックスフォード大辞典を文字通り食べながら覚えてしまった碩学小室先生は、数学的にも優れていたのがあだとなり、これ(歴史から経済学までの統一理論) を全人生の目標としてに手をつけようとして果たせず、アル中になってしまった)



「2CH時代の新しいマーケティング」

129 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/08(木) 17:25

人事管理、法務管理、財務管理、組織管理など「社内」に対する 管理と「社外」に対する管理、つまりマーケティング管理・・・ しかしこの2CHなんていうのは社員が書き込んで、投資家や消費者も、
つまりさまざまなステークホルダーが自在に書き込んだりしている。 ここにおいては社内と社外の区別がまったく不明朗というわけだ。 まったく・・・・・ネットの時代に社内と社外をわかつのは、社員の心根、
モラル、意識、そういう精神的なものだけになってきた気がする。 「社内外を分けないあたらしいマーケティング」が必要な時代だろうな。



「実務家はマーケティング理論を歓迎しないだろう、という意見に対して」

138 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/11(日) 20:57

いや「実務家」は実務に役立てばいいんだから、自分の意見を正当化できる名声ある意見がでることは大歓迎なのよ。 ただ・・・・論理→実証ってながれは、統計は相関はわかっても
因果関係は判らない訳だから「論理が間違っている事はない」ってだけの所に多大なコストをかけているわけで・・・・ それは企業に近いとか、お金があるとか、業界のコネを指し示す話であるわけで・・・学界ならそれなりに価値があるんでしょうが、
業界そのものにいれば、金もデータもあたりまえの事であって・・・ (外に出せないだけで) だから自分の頭で考えた個人的な事、聞いた事がない話、 いいかげんな「仮説」を大胆に出してくれる人のほうが実務家は好きだってことになるのかな?



「マーケ専攻の院生に未来はあるか?」

140 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/12(月) 08:27

>売上が伸びる のかを計算することは簡単にできます。 >多分、マーケ専攻の大学生なら出来る人いると思います. いいえ。まともな企業は「マーケ専攻の大学生が簡単にできる」
事なんて大してもとめていませんし、それをコンサルとは言いません。 厳しいようですが。 そういうやり方でわかる知見というのは、とっくの昔に暗黙知として 企業に根付いている訳です。
大の大人がそろって、もしそうなってなければ、 その会社は「北朝鮮(計画経済)」か「ゾンビ(倒産目前)」でしょう(笑) 重要なのは「仮説」です。売上の近年の変動が説明できる新しい変数
をデータが含んでいるかどうか、が問題なのです。 これはモニタリングコストとの関係にもよるんですが・・・ 例えばコンビニでは天候と広告データの入力が欠かせません。
アイスクリームならこの2つのデータと明確に関係があることに、 誰でも調査するまでもなく気がつきますが、実は「大衆薬」の売上もこの2要素に関係するわけで、 そういう常識とデータの乖離の「発見」がすごく重要になるわけです。
そうした発見はだいたい最初、優秀な担当者の「勘」「気づき」 によるものなんです。 あなたは計算の「外注」をされているわけで、それはそれで立派な仕事ですが、
文章を読ませていただいた限りではコンサルといえるのかどうかは疑問です。



「ごめん、暗黙知という言葉は僕も嫌いだった」

142 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/12(月) 23:15

「暗黙知」は僕もきらいです。言葉使いを間違えました。 「常識」っていうべきでした。 言語化できない事柄っていうのは、あてにすべきではないのです。 それは言語化する能力がないってだけの話でしょう。
古来日本の農民は、生涯100語を続けて話す経験がある人は稀だったそうです。 そのせいで、組織共同体化ノウハウが言語化(Articulate)できなかったって話だと思います。
児玉文雄東京大学先端研教授は「Demand Articulation」という概念をつくり、消費者欲求の企業内における言語化の重要性を指摘、アメリカ人の喝采を
あびましたが、まさに今求められてるのはその態度だ、と思います。 ちなみに僕も、「院卒の、アカデミックな世界から離れて久しいコンサル」ですが、学校の先生で尊敬する人は、それほど多くはありません。




「自動車における差別化って何?」

30 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/04(日) 09:37

でも三菱の燃料噴射技術(だっけ)、マツダのロータリーエンジンを 見るまでもなく、車が技術って時代ははっきりいって終わったよね。 燃料電池の時代になったら「俺の車の電池はすごいぞ!」ってさすがにおたくでも自慢しないでしょ。(あ電池おたくは別にして・・・)
最近の日産のチーフデザイナーの人(名前忘れた)はその昔、いすゞで、117クーペやピアッツア、ビークロスやった人だけど、デザインポリシーと戦略が明快だよね。
「ある日産の管理職は「過去、日産のデザイン戦略会議はまったく機能していなかった。現場の提案、つまりチーフエンジニアの提案がほとんどそのまま会議で承認され、会議に出席している役員は、どうぞあなたの案でおやりなさい、というだけだった」と語っている。」
ようするに数字に表れる技術の事なら口出すくせに(だって判断リスク少ないんだから)、 万人に趣味があり口出しが容易なデザインについてはいきなり無責任になる役員が多かった、ってことだよね。それが経営がおかしくなった自動車会社の共通項。
技術プラットフォームが完成され、差別化が難しくなった後はデザインやコンセプト、 趣味を選ぶ思想体系や歴史観が問われることになる。消費者はそれを選ぶわけだから。これに対応するには、経営システムを無責任から責任体制へ、そして多数決から実力者の即断へ、
クローズドからオープンへと、変えることでもある。 それが21世紀日本企業における「差別化能力」なんだよね。



「新しいプリメーラについての議論」

35 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/09(金)

13:13 すみません。P10をしらないんですが。僕のプリメーラのかつてのイメージはオペルもどき。西独車の質実 剛健さを強調した、渋い車がわかる男性向けの車種でした。
今ルノーはデザインのディーテイルをそろえようとし、ランプの形状などはなんとなく 似せています。 全体にはフランス車特有のベジェ曲線を多用した グラマラスなトーンが強調されます。フロンとグリル、それにルーフの描く弧がそうとう丸く、
女性的なトーンをかもしだしています。 そう、男性的から女性的・・・ってかんじの変更でしょうか。 プリメーラファンにはいたいでしょうが、今車が対ヨーロッパの戦略車種であること、そこにおいてドイツ的なものを排除してフランス的に作り直した、って感じじゃないでしょうか?



「ブランディングとデザインの関係」

41 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/11(日) 21:11

デザインというのは基本的にはこれまで築いてきた「個性」を現代的にリファインする作業です。 もうひとつとても重要なのは、ブランド(日産なら日産)で全体のデザインに一貫性を持たせることです。
なぜかというと以前より全然車種が増えてもう誰も覚えていられないから。(子供の頃に見てた自動車本では、僕は全車種を覚えていたものです) トヨタの独自の曲面、ホンダの低いノーズ、ベンツやジャガーは当然として、よりビッグ自動車会社でもいいところは、みんなそのことに気がついて10年以上努力しているわけです。
プリメーラとブルーバード、シーマ、セドリック、スカイライン、Z、あと奇妙奇天烈な数え切れない車種に共通するものは、これまで「NISSAN」というロゴのみでした。
だからNISSANはブランドの座、から落ちざるを得なかったわけです。 プリメーラがいいかどうか、ということよりも日産全体のデザインアイデンティティが築かれていくのかどうか、に着目してあげたらどうでしょうか?




「消費者がマーケティングの主体性をにぎるという意見についての反論」

44 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/12(月) 08:36

それはそうですが、その「外部ネットワーク性」を戦略に盛り込んで噂話の伝播、神話性の獲得をしていくことは可能なんですよ。 今企業の開発や広告制作の過程に対する情報開示が進んで、今度はどの「システム」「仕方」自体が一つの情報提供の重要な要素になってしまったんです。例えば今、自分で作詞作曲する歌手は偉い!って風潮があるじゃないですか。自分達でコンテンツを作っているやつが尊敬される時代なんですよ。
だから企業の中の強い「個」(タレント)がいるばあい、それは技術開発者でもデザイナーでもいいんですが、それはブランドの核になるし、その後の展開でも消費者に流されずぶれないイメージつくりがしやすいんです。




「2CHに象徴される消費者の情報優位という意見への反論」

46 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/12(月) 23:04

「消費者の情報収集チャネルが増えた」ってことは賛成ですが、「やりとりされる情報の質・量が格段に増えた」かどうかは疑問です。 なぜなら、あちこちで「ここだけ」といって同じ情報が流れているし、2ちゃんの大多数の情報は質が低いんじゃないですか?
しかし次のことは言えるでしょう。 昔東京モーターショーで、ス—パーカーの隣に美女が立ってて、カメラ小僧が激写してました。(今もそうか) しかしいまや「それを与件としてマーケをする企業」もちょっぴしおバカなら、それにつられる消費者も変!という話になっちまったわけです。
企業が今ブランディングとして持つべき手法がいくつかあります。 1)優れた消費者を味方にする いまどき、カリスマ消費者って言いますけど東京モーターショーの隣の空き地でSUVの変造を見せびらかしている奴は、その世界ではきっとカリスマでしょう。この2CHにも何人か、ごく少数ですがミニカリスマはいるわけです。(切込隊長、名前だしていい?)IT時代だからこそ、かれらの「呟き」がとっても効くわけです。
2)企業内革新者を持つ カルロスゴーンや地味だけどトヨタの多くの経営者や、ソニーの久多良木さんを持つ会社っていうのはやっぱり「ブランド」です。自分のいいところを次につなげながら大胆な革新をする事ができる企業とまったく出来ない企業があるわけです。
消費者は残酷で、もてはやしたか、と思えば手のひらを返して貶めることがある。 だから今は会社中から反対されても「未来の消費者」の支持を集める覚悟と想像力のある人がいる企業が強いのです。



「優秀な営業とは何か?」


8 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/08(月) 15:15

1.優秀な営業は会社ではなく、まず自分を高く売る力がある 2.優秀な営業は次に相手先をクライアント社内で売るうまさがある 3.優秀な営業は次に仕事仲間を社内で売る努力を惜しまない
4.優秀な営業は1年後の商品の未来をまことしやかに語る能力がある 5.優秀なクリは例外なく優秀な営業でもある 6.優秀な営業と優秀なクリはお互い仲がいい 7.優秀な営業でありつづける事は極めて難しいだけでなく、
 時として非常にむなしいことでもある・・



「営業の大鉄則」

14 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/09(火) 06:51

そう。あともうひとつ営業の大鉄則があります。 「嫌な奴から会え、嫌なことからやれ」 いい営業は先手を取るから、トラブル処理の時間が低くてすむ。 まずい営業は、嫌なことほおっておくから結局トラブル処理の時間が、長くなってモチベーションどんどんさがるじゃないですか。



「広告会社の営業とは?」


15 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/09(火) 06:52

もうひとつ教えましょう。 「広告の営業とは見合いもせずに結婚するクライアントと幸せにすごし、合コンもしないのに出会ったクリを恋人として夢中にさせる仕事である」これは世の中に営業職が数ある中で、もっとも「人間に強くない」と厳しい仕事の一つって事なんだよね・・・・
(君たち、勉強になる?)



「営業の鉄則パート2」

72 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/22(月) 10:46

営業の鉄則(必!) 1)絶対にその場で「出来ません」、とは即答しない。  「うーん・・・・考えさせてください」と悩みながら退散する。  間違っても「うんざり」「辟易」「できるわけないだろ、バカ」
 等という態度は出さない。 2)パチンコ屋とかで時間をつぶす。映画でも見る。  その後電話をする。「あれから四方手を尽くして頑張ってはみたんですが・・」  「・・・・・・・・・・・・・・」と沈黙する。
3)クライアントは先ほどの様子から「やっぱり無理すぎたかな?」  とかって思ってる。ので「やっぱり、無理でしたか。すみませんでした。」  となる。 これが最初から「できません」と即答すると、
1)「どうせ俺は素人だよ、無理な事いう奴だよ、もっと言ってやるよ。」とか、 2)「なんで考えても見ないですぐに断るの?努力したくないって訳?」  とかってなってしまう。




「営業の鉄則パート2:代案の可否について」

80 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/23(火) 09:21 77
 

「出来ません」と言うときは、必ず代案を用意する。  「それは、ホントに無理なんですが、この方法だったら  なんとかそれに近いようになると思うのですが」などと言うと,
1」 口がうまい営業の場合、ぜんぜん違う話でもセールスできるが、 2」口が下手な営業の場合、結構近い案でも受け入れられない。



「営業の口癖」

81 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/24(水) 04:11


「みたいな?」「ってかんじで?」 語尾をややあげて観測気球的に使う。断定と決定的対立をさける。 「とりあえず」 期日がある広告作業に完璧はありえない。 前に進めるため「とりあえず」を連発する。
急場になると2語に1語がこれになる。 「筋論としては」 本来あるべきことをいうときに使うが、これが通るとはまったく思っていない。 「今回は・・・・ということで」
毎回状況が変わるなので、毎回使うことになる。 「おねがいしますよ」 あきれたときに使う。仕事をお願いするときには単に「よろしく」。 「○○○的には」 クライアント的には、などと使う。ここでも「弱め」をかまし断定を避ける。
「本当にクライアントがそう言ってるんですか?」という疑問に対し、 「私が考えるところのクライアントの建前としては」というトーンを出す。 額賀長官が「秘書的には」というのと同じである(なんて言ってないか)
(これについてはある人からはるかに網羅的かつ洞察力に富む下のサイトを教えていただきました。) http:// www.lares.dti.ne.jp/ ~wind/ dic/ ayasii.html



「年配の営業さんについて」


84 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/28(日) 08:46

営業で辛いのは年配の気弱な営業さんを見るときである・・・担当が、若向きの商品だったりして、仕事きつかったりして、疲れていらっしゃったりして、可哀想なのである・・・生き甲斐は植木です、とか、カメラです!とか、引退後の夢を語るときだけ、幸せそうである・・・
一方えばりくさっている営業さんもいる。こちらはもちろん部長とか次長という肩書きがついている。クライアントも部下も、みんなを疲れさす事を生き甲斐にしているかのようである・・・・
一番いいのは、管理職なのに腰が低くて物事わかっている年配者である。 上に強く下にやさしい。自分には厳しく、人に対しては丁寧である。 古き広告の歴史に詳しく、新しいことを学ぶ努力を忘れない。
こういう人に出会ったら、それはあたりの宝くじを買ったようなものである。 ・・・・・それほどこの業界では貴重な「天然記念物」と言えるだろう・・・ (絶滅した、という噂もある)



「bold話その1 誤植の知らんぷり」

30 名前:bold話その1投稿日:2001/01/14(日) 07:15

長文で失礼。 俺が入社2年目で営業だった時、あるスポーツウェアアパレルを担当していた。 そこでセールスに成功して始めてゴルフウェアの新聞15段広告が出る朝、
6時に起きておれは興奮して新聞受けにその新聞を取りに行った。 読んでいると・・・がーん。大誤植がある・・・ 「ウエストストレッチ」という商品コピー(ウエストが伸びるので太っても安心、
というちょっとせこい商品だった)が「ウェエストレッチ」になっている。 青い顔をして会社に行き、上司を待った。 9時過ぎに現れた上司に俺は言った。「たたた大変です。大チョンボがありました」
上司(当時33-34歳)は言った。「コピーは見るがサブキャッチは校正し忘れたり するんだよな。俺も朝、気がつかなかったよ」



「bold話その2 誤植の知らんぷり(続き)」

31 名前:bold話その2投稿日:2001/01/14(日) 07:21

その上司はしばらく考えて俺に言った。  「bold(なんては言わなかったけど)、この足で社長に会いに行け!  ありがとうございましたとお礼を言いに行け。そして反応を見ろ。
 社長も気がついていない可能性がある。そして気がついていなければ、  その足で宣伝部長に会え。そして「大変な問題があったが、社長が  気がついていないのでなかったことにしませんか?」と持ちかけろ。」
青い顔の俺は聞いた。「そそそそれで気がついてたらどうするんですか?」 上司「馬鹿!それはお前が考えるんだよ!その場で気がついたフリをして、  土下座するとか、さ」と彼はさっさと新聞を読み出した。



「bold話その3 誤植の知らんぷり(続き)」

32 名前:bold話その3投稿日:2001/01/14(日) 07:32

俺は青い顔のままで社長に会いに行った。  「おはようございます!ありがとうございました。」 社長は広告をすみずみまで読んでいる。 社長「ん。うん。ありがとう。よく出来てるじゃないか」
社長「君、顔色が悪いよ。仕事しすぎじゃないの?うちのせいで」 bold「ありがとうございます。頑張ります。」 その足で宣伝部に行った。 bold「部長、大変なことがありました。かくかくしかじか。しかし
 社長は気がついていません。なかったことにしましょう」 宣伝部長は激怒した。しかし・・・  「・・・・そうですな。今回は無かったことにいたしましょう。  しかしもう絶対にこんなことが起こらないように気をつけてください」
帰社して上司に継げた。上司はまだ新聞を読んでいた。  「だろ。俺が言ったとうりに進んだじゃねえか」 Bold(大胆)とは、彼から教わった精神態度なのである。
教訓1.パニックに陥ってもなんも得はない。冷静に対処せよ。 教訓2.宣伝部長たって単なるサラリーマンにしか過ぎないと心せよ。 教訓3.土下座する覚悟を決めれば度胸がすわるものである



「bold話その4 必死の修理人」

39 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/16(火) 07:05

Bold話その4  昔オーディオフェアに出展していたころ、俺は当時話題の「マック」を使った音楽の趣味診断システムを提案し、見事に採用された。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マックが趣味の商品でありビジネス商品でないことを俺はしらなかった・・・ オーディオフェアブースの電源の電圧が著しく不安定であることを俺は知らなかった・・・・
開場前日夜、会場に5台のマックが並び、女の子が脇について練習を始めたときにはまったく問題が無かった。 その時には会場はほの暗く、まだ電源を目一杯使ってない事など、俺は知る由もなかった・・・・




「bold話その5 必死の修理人(続き)」

40 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/16(火) 07:09

Bold話その5  翌朝開演し最初は調子がよかった。  次第にブースは白熱し、まず一台が落ちた。  まずいことに予算の関係でマックのシステムは俺の友人に依頼していた。
 呼び出そうとしたがつながらない。  その展示は人気を呼び(だってオーディオ・カメラ小僧が一杯だから)すでに長蛇の列である。お得意は苛立ち「早く何とかしろよ」
 なんて言っている。そのとき相次いで2台、3台目が落ちて動いているのは2台だけになった。長蛇の列は文句も言わないでそこに並んでいる・・  (馬鹿だこつらは)




「bold話その6 必死の修理人(続き)」

41 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/16(火) 07:19

Bold話その6 運悪いことに、お得意の課長と俺の上司がそこにつれだって登場した。 課長「人気呼んでますね」 部下「○○さんのおかげで故障だらけです(このやろー)」
上司「Bold、これ直んないの?」 Bold「すいません、ちょっと今すぐには・・・・」 上司「そうだ、お前、修理員の格好をしろ、白いつなぎとか着て。なんかやってりゃ、客だって納得するだろう。課長、これ列長いほうがなんか、賑わいが出ていいから、こいつに修理させている格好やらせてひっぱりましょう」
結局友人が直しに来たが解決はつかず(多分電圧が下がるたびに落ちるから) (電圧はほとんど下がりっぱなしになってたらしい) 俺は長蛇の列の熱い視線を浴びながら、修理員の格好をして3日間そこに張り付き、直すふりをしていた。唯一よかったのは、5人の手持ち無沙汰の女の子達と、仲良くなったことであった・・・・




「bold話その7 オノヨーコとの麻雀」

52 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/18(木) 05:41

Bold話その7 ビートルズといえば、ある怪しげな話をアメリカ人が持ってきて、 それは「ジョンレノンの銅像」を作る権利をそいつが持ってるのだ、という。 80年代末、バブルの頃だったと思う。
まわってきた企画書をみて俺は半信半疑だったが、ある勇敢な先輩がある会社にプロモートしたところ、なんと、本社ビルを建てようとしていたその会社は、その案を社長判断で採用!したのである。
(いやーな予感)



「bold話その8 オノヨーコとの麻雀(続き)」

53 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/18(木) 05:46

その予感は当たってた・・・・ ある日、その先輩がレコード会社の大物(○芝EMI)に呼びだされて行くと、そこには新聞原稿案(15段)が3つあった。 それぞれ、「朝日新聞読者の皆様へ」「読売・・・」「毎日・・・」という書き出しの意見広告である。
そのコピーをゆっくり読んで行くと(読みたくないのでどうしても遅くなる)、史上最悪の意見広告であった・・・・ 「私は○○社と××代理店を肖像権侵害で告訴します」




「bold話その9 オノヨーコとの麻雀(続き)」

54 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/18(木) 05:54

その新聞広告を持ってまず生命保険会社に行き、それこそ「土下座」である。 しかしここまで深刻だとお互いに運命共同体だから、結構仲良くなるものだそうだ。 次にその人は腹心の部下数人を2月のニューヨークに飛ばし、サウスダコダハウスの前で待たせた。
約半日待つとそこにオノヨーコさんが帰ってきた。 「どうしたの?」「申し訳ありません、実は・・・」 「ともかくここは寒いわ、中に入りなさい」「すみません」 「ところで・・・あなたたち麻雀やるの?」「は?」
「麻雀やらない?最近相手がいなくてやってないのよ」 じゃらじゃらじゃらじゃらじゃら。 すっかり意気投合して、翌年以降彼女が日本にきたときも、卓を囲む仲になったそうである。



「bold話その10 コツコツコツ」

85 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/28(日) 08:58

私の最初の上司はもともと業界に入る前は、海運船の船長だったのである。 色黒で、背が180CM以上あって、あだなは「アミン」(歌手の方じゃなくてアフリカの独裁者)であった。
あるクライアントの仕事でジェットサーモという暖かいパンツの宣伝を先方と話していたときのことである。(サーモは温度という意味) 彼がひょっこりその会議に登場したのである。(いやーな予感)
「ところで、それピンク色の商品なの?」 「あ、ピンクもありますよ、黒とかもあるけど」 「いやピンクなんでしょ?」(そろそろ笑う準備) 「はあ、なんでそう思われるんですか(ピクピク)」
「だってジェットサーモンっていうぐらいだから、サーモンピンクなんでしょ?」 (クライアントとともに大爆笑) いや・・・・いい人だったのである。



「bold話その11 コツコツコツ」

86 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/01/28(日) 09:14

私の部長は好人物であったが、たまに忙しい時に限って長広舌をふるう、という欠点があった。 一年上の気骨ある先輩と一緒にクライアント会議に出たときのことである。
忙しいクライアントを前に部長はお得意の昔話をし始めた。いらいらするクライアントは時計を何度も何度も見て、いたたまれない雰囲気である。 机の下から「こつこつこつ」という音がする。「なんだ?」部長は
気にせず話を続ける。「こつこつこつ」「こつこつこつ」。 「おい○○(先輩社員)、この音はいったいなんだ?」 「私が机の裏を指でたたいてます。」「何でだ?」
「お得意様は時間がなくて急いでいらっしゃいます。その話止めてくれませんか?」 ・・・・・・・・・・・・・・(すごい沈黙) すかざずクライアントが「じゃ、ま、今日はそういうところで(ほっ)」
その沈黙は帰りのタクシーの中でも続き、深く傷ついた部長はその後、クライアント前での長広舌はしないようになった。その気骨ある先輩は、その後有名なクリエイティブディレクターに転進された。




「bold話その12 天気はどうですか?」

94 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/12(月) 21:23

じゃ期待に答えて。 私の担当してるクライアントは雑誌の印刷品位にきわめて厳しかった。 しかも出稿の度に40冊の雑誌をもっていかなくてはいけないのである。 〔雨の日も風の日も〕
雑誌を持っていくとその方は一冊一冊、印刷の版ずれがないか、色が出ている チェックする。もちろん、媒体局に行って選りすぐりの雑誌を持っていくが、 すべてをそろえるのは無理である・・・
私は雑誌を持っていくと、おしっこを漏らした生徒のようにその人の前で立ちすくむ のが日課になった・・・・ というのも印刷が悪い本を見つけるとその人は満座の前で雑誌を私に投げつけるのである。
今思うと、それは私に、というよりも私にそういう態度を取ってる事を、 社内のみんなに見せつける、という意味があったのであろう。



「bold話その13 天気はどうですか?」

95 名前:名無しさん@bold投稿日:2001/02/12(月) 21:32

「おおおお俺のせいじゃない!」 「本物はもっと色悪いぞ!選んでどうする!」 大学出たての私はその仕事が嫌で、今思うと軽いノイローゼになった。 朝会社に行く前にその前の喫茶店に入ってしまい、そのまま家に帰ってしまったりしていた。
それを哀れんでか、ある日その方の前の席の若い女性から電話がかかってきた。 「Boldさん、可哀想ですね。あの人、日によって怒ったり怒らなかったり全然態度違うの、知ってますか?」
「えっ、全然知りませんでした。いつもああかと思ってました」 「私が機嫌がいいかどうか、教えてあげるから、来る前に電話をください。」 「ありがとうございます。しかし「機嫌悪いです」って言いにくくないですか?」
「そうですね。じゃ天気の話にしましょう。明日の天気どうですか? って聞いてください。天気すごく悪そうですね、っていいますから」 私より相当年下、おそらく高卒出たての彼女はまさに天使に見えた。
そしてその「憂鬱さ」は確かに半分以下に減り、私はだいぶ元気を取り戻したのである。

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